議事録

平成25年3月 予算特別委員会(第8回)

「総括質疑」

○荻原豊久委員長 木村委員。
◆木村正孝委員 委員長、あと何分残りありますか。
○荻原豊久委員長 24分。
◆木村正孝委員 はい、わかりました。そしたら、引き続いて私のほうから、最初に地球温暖化防止推進計画とISO14001についてお伺いしたいと思います。
先日の部局審査でもお尋ねをしましたが、宇治市の第2次地球温暖化対策地域推進計画には14の対策が列挙されております。その中で市民の取り組みの一つに、太陽光発電システムの導入について記載されております。本計画では、温室効果ガス排出量を平成2年度に比べて25%以上削減するという目標設定になっておりますが、このシステムについて市民の何%の世帯が太陽光発電システムを導入するものと想定し、これにより25%のうちの何%を削減できるものと見込んでいるのか、お尋ねをします。
また、平成25年度予算として、太陽光発電システム設置事業費補助金2,054万5,000円が計上されておりますが、温室効果ガスの削減効果はどれくらいと見込んでおられるか、お尋ねします。
○荻原豊久委員長 宇野理事。
◎宇野哲弥市民環境部理事 太陽光発電システムの導入世帯につきましては、目標年度でございます平成35年度におきまして、全世帯の5%が導入しているものと想定いたしておりまして、温室効果ガスの削減量は3,340トンCO2を見込んでおります。これは削減目標量の17万3,110トンCO2の約2%に相当するものでございます。
次に、平成25年度の太陽光発電システム設置事業費補助金による効果につきましては、年間で355トンCO2の削減を見込んでおるところでございます。
○荻原豊久委員長 木村委員。
◆木村正孝委員 この地域推進計画、25年度から11年間かけて行っていくという非常に壮大な計画でございます。こういう温暖化対策といいますのは、昨年の被害、豪雨災害がございましたが、基本的には地球の温暖化、気候変動というのが原因になっておりますので、そういうことを対策していくということは、非常に大きな大切な計画だと考えております。
その中で、この温暖化対策につきましては、市民あるいは事業者それぞれの取り組みが必要だと思いますが、特に事業者向けの対策としてはどのように進めていこうと考えておられるんでしょうか。
また、市は一事業者として、平成25年度はどのような取り組みを考えておられるでしょうか、お尋ねをしたいと思います。
○荻原豊久委員長 宇野理事。
◎宇野哲弥市民環境部理事 まず、事業者向けの対策といたしましては、ニーズを的確に捉えながら国や京都府等と連携を図り、特に中小事業者につきましてはエネルギー使用量に係る法や府条例などの規制がかからないことから、より積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、本市も一事業者として、平成25年度は11の公共施設におきまして、事業効果の高い箇所を優先的に、現行の蛍光灯をLED器具に交換してまいりたいと考えております。その事業効果といたしましては、電力削減量を年間で6万757キロワットアワー、また温室効果ガス削減量は約19トンCO2を見込んでいるところでございます。
○荻原豊久委員長 木村委員。
◆木村正孝委員 今お尋ねしました25年、この11年間の中で25%削減をするというのは非常に大きな目標値です。実際、実績としましては10%もできてない。この中で11年間かけて25%削減するというのは、大変な取り組みが求められると思うんですよね。ただ、これは京都府が府内全域の温室効果ガスを25%減らそうという目標値を設定されたことと関連をさせて、各市町村も最大限努力をしていこうということであろうと思うんですね。それについては、実績からいきますと非常に苦しいですが、これから10年間あるわけですから、取り組んでいただく中では具体的に進めてもらったら結構だと思います。
ただ、この場合には、やはりもう少し具体的な、事業者に対して具体的に何を求めていくのか、あるいは市民に対しては具体的にどんだけの量を求めていくのか、そのために必要な方策はどういうものがあるんだということを、ぜひ具体的な計画として25年度の中で策定いただきたいというふうに思います。
もう一つ、市長の今年度の基本的な予算方針の中で、温暖化対策については、LEDのことについては触れられておるんですが、全体としての一番大きなこの温暖化推進計画というものが触れられておりません。やはり現場としましては、一生懸命やっていく中では、市長の大きな予算方針の中に、大変大きな11年かけた計画を推進していくんだということを高らかにうたい上げていただいて、そのことを市民にもやっぱりアピールをしていただくということが必要ではないかと思います。そのことは要望しておきたいと思います。
もう一つ、このことに関連をしまして、今回の部局審査でお尋ねしましたが、ISOの14001の認証システムを、自主宣言といいますか、自己適合宣言に変更されるということもお尋ねをいたしました。これは基本的には世界規格です、ISOの14001は。これの認証取得には随分大きな苦労があったと思います。お金ももちろんですが、努力をされたと思うんですね。当時、既にもう10年以上たってるはずですが、当時は担当者は胃に3つぐらい穴あけてこの認証取得されたはずなんですね。それぐらい難しくて、また値打ちのあるシステムなんですね。これを今回やめられると。自己適合方式に変更されると、こういうことですので、そうであれば、庁内のほうのそれに対する力をもう少し外の職場に向けていただきたい。
具体的に言いますと、外部職場のほうにも環境マネジメントシステムをきちんと構築していただきたい。これはEMSといいますけども、ISOの14001じゃなくて、KESであるとか、あるいは自己適合宣言なんていろんな方式がございます。もう少し簡易にできるシステムです。ぜひそのことを外部職場に拡大することによって、全体的な温室効果ガスの削減も環境対策も進むと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。これは要望しときます。
2問目に、いじめについてお伺いします。
いじめの問題は、今日大変重要な社会問題であり、その防止対策を初め、いじめそのものの根絶のために法律の制定までも検討しようかという現状があります。また、先日文科省が行った緊急アンケート調査において、いじめの件数は昨年に比べ倍増しており、本市においても同じ傾向であると先日の部局審査で答弁されております。
ところが、平成25年度当初予算書及び概要書には、いじめ問題に言及した記載が見当たらないこと、いじめ防止を進めるための具体的な計画や必要な予算額が入ってないじゃないかということを先日の部局審査でお尋ねをしたんですが、ご答弁がありませんでした。その後、この予算書のどこにどれだけの金額で位置づけがされているのかを、ご検討いただいたと思いますので、お答え願いたいと思います。
○荻原豊久委員長 石田教育長。
◎石田肇教育長 まず、いじめ対策の基本、このことは学校における生徒指導の問題とも当然密接に関係してくる問題でございます。学校の教育の推進の主体は教師でございます。例えば、学校におきましては生徒指導主任という位置づけがございます。こういったものについては当然のことながら、府費の職員としての人的配置がされているものでございます。こういった生徒指導主任等を中核として、学校は教職員一丸となっていじめ問題を含める生徒指導に取り組んでいるところでございます。ただ、これは本市の予算には計上されてまいりません。
それから、今日まで教育委員会として、例えば教職員研修、これは校内研修に対する指導は非常に重要なものであって、本市の指導主事が学校現場に赴き、あるいはまた指導主事が中心として研修会の助言を行う等を行っております。指導主事等にかかわる人件費は項目としては上がっておりますが、いじめというふうに特化をして記載はされておりません。そういった意味で、本市の体制の中でいじめに対する総合的な取り組みが、今日積み重ねられてきているというようにご理解を賜れば幸いに存じます。
○荻原豊久委員長 木村委員。
◆木村正孝委員 次の質問でいじめの認識についてお尋ねしようと思ったんですが、やはりこの間の部局審査でも明らかになりましたように、いじめということに対する認識が、随分今の社会的な趨勢とは違っているんではないかという危惧を持ちます。
例えば、先日大津市では、昨年の痛ましい自殺を含めて、本年の2月、条例が制定されました。予算も4億円の予算が計上されております。これは教育再生会議の提言、これは国の会議ですが、その提言でも、今日いじめ対策は、各学校にいじめ対策専従教員の配置ということは必須として、その上でなおかつ学校任せでは困難であるという認識から、いじめが起きたときに調査する常設の第三者機関の設置や、問題発生時に学校を支援する弁護士や精神科医など緊急サポートチームの設置などの取り組みが具体的に触れられております。また、幾つかの市では既にいじめ防止条例が制定もされております。
そういう意味では、いじめの問題を学校内だけ、あるいは教師と生徒の間だけの捉え方については、非常に私は危惧をいたします。あくまでもいじめの問題というのは社会問題であり、学校内だけでは解決できないことはもう明らかです。そのことによって手おくれになることもたくさん発生しております。また、インターネットを含めて、あるいは携帯電話の誹謗中傷も含めた、学校では見えない、学校ではわからないんだという悲痛な先生方の声もお聞きをしております。そういう意味では、改めていじめの問題について、単に学校内だけではなくて、もう少しシステムとして社会問題を解決するための考えについて、教育長のお考えをお聞かせください。
○荻原豊久委員長 石田教育長。
◎石田肇教育長 順序ばらばらになることをお許しいただきたいと思いますが、今、委員のほうからいじめの問題等への対応について、教育再生実行会議の第一次提言の内容に基づいてのご意見がございました。私もこれは読ませていただいております。その中で、基本的な認識にかかわることでありますけれども、私は3点非常に注目するものがございました。
このことの前提は、先ほどるるご批判をいただいたわけですが、まず1点は道徳教育の充実であります。2点目は法教育。なぜあえてこれを申し上げるかと言えば、改正された教育基本法の第6条2項において、教育を受ける者が学校生活を営む上で必要な規律を重んずることを重視することが規定されていることに関連するわけであります。もう1点は、家族あるいは家庭というものの役割を見直す、重視するという考え方であります。このことは同じく教育基本法の第10条で、今回、保護者は子の教育について第一義的な責任を有するということが規定されたことともかかわって、私はこのことに注目をいたしました。
今、委員のほうからるるご批判いただいたわけですが、本市のいじめに対する対応は今日までも積み上げてきております。また、学校だけではなく、関係機関、関係団体との連携についても取り組みを行ってきていることは、本議会においても繰り返し答弁をさせていただいているところでございます。しかしながら、時代の推移、社会的な物の考え方の変化、そういったものを考える中で、学校だけで対応することにはなかなか大きな課題がある、また学校教育の分野だけで対応し切ることについてもなお課題が残る、こういった認識については私も持っております。このことを踏まえまして、来年度1年間をかけて教育研究創造事業の中で、そういった我々としてなお足りていない部分、これからさらに先行的に、先進的にやっていかなければいけない部分を十分論議をし、そのことについて整理をした上で、新たな組織等も立ち上げる中で、施策として実現できるものは早期にでも実現をしていきたいというふうに考えております。
もう一つつけ加えれば、我々今日まで、指導、助言という役割は十二分に果たしてきたというふうに思っております。しかしながら、加えて、支援あるいは援助という点についてはなお課題を残している。このことについても、今申し上げました事業の中で十分精査をしてまいりたいというふうに考えております。
○荻原豊久委員長 木村委員。
◆木村正孝委員 もうこれ以上教育長にお尋ねしませんが、やっぱり具体的に、例えばこの同じ教育部の予算の中でも、ボランティアの活動であったり社会福祉士の活用であったり、いろんなことが書かれております。事いじめのことについては、そのことが触れられていないということを大変悲しく思っております。
最後になりますが、このいじめの問題については、山本市長は学校教育にかかわる重要事項を市政の重要課題というふうに考えられて、教育研究所の設置などを位置づけられております。今年度においても、教育研究支援創造事業費として700万円が計上されておりますが、せめてこういうものも、このような予算も使って、この1年間待ってるわけにいかないわけですから、いじめというのは、この間の部局審査でも昨年に比べてほぼ倍増しているという実態も報告されておりますので、そういうことも踏まえて、本市においても、この25年度においてもいじめ対策について具体的な取り組みが必要だと考えておりますが、山本市長、いかがでしょうか。最後に伺います。
○荻原豊久委員長 山本市長。
◎山本正市長 私、マニフェストで、このいじめの問題とかあるいは体罰あるいは学校教育全般については、もう今や大津だけの特化した問題ではなくて、宇治市でもいつ、どの学校で起きても不思議でない、こういう要素が秘めているというふうに思わなくてはならないということで、この新教育の創造事業というものを提案しております。そして、文科省がるるいろんな対応策をしておられて、それを一々否定するものはございませんが、具体的に学校にどのように援助をするかという具体策は、いまだ見えてこないのが今の実情でございます。したがって、学校現場のSOSは、必ずしも学校教育だけで到達できるような生易しいものではないという認識に立って、家庭教育あるいは保育、幼児あるいは地域社会、そして法的な問題が判断できるそういう人たちでもって1年間るる十二分にご論議をいただいて、教育委員会の中に新しい教育研究所(仮称)というものをこしらえて、指導、助言から援助へ、していくことが必要だということを再三本会議でも私は申し上げてまいりまして、これらが到達できれば、全国に先駆けて宇治市の取り組みは早いものだというふうに自負をしている事業でございますし、もちろん木村委員がおっしゃるように、一日でも早く論議の中で実践できるものは実践をしていきたいというふうに思っています。
また、結びに、宇治市の教育委員会あるいは地域社会、学校現場で、このいじめ、不登校に対して生ぬるい取り組みをしてるという認識は全くございません。よくやってこられたと。しかし、それを超える事象が大津の事象であり、大津だけがこういう問題が起きたというふうに思わないということがより大事でありますし、宇治の教育現場もこの大津と同じようなことがいつ起きてもおかしくないという危機感を持ち合わせまして、私はこの予算を提案しておりますので、よくご理解をいただきたいと思います。
○荻原豊久委員長 木村委員。
◆木村正孝委員 最後に、開浄水場問題解決へ向けた上下水道部の基本姿勢について伺います。時間がありませんので端的にお尋ねします。
足かけ7年を経過した開浄水場問題の解決へ向け、上下水道部の基本姿勢をお尋ねします。昨年12月に最高裁決定により裁判が終わり、住民との話し合いによる解決へ向かおうとしています。平成18年以降、3.11の東日本大震災があり、全国的には地下水や井戸の重要性が見直しをされています。一方で、大阪高裁判決は、上下水道部の休止方針について違法性はないとの判断に基づき、給水継続を訴える住民の声を退けています。
このような状況のもとで、前向きに話し合いで解決するために、水道部には休止方針ありきの態度を前面に出さずに、また住民側は、休止方針に合理性がない、白紙撤回を求めるとしてきた従来の主張にこだわらず、前向きな解決に向けてあらゆる可能性を検討することを双方が確認すること、そのことを確認することが大変大事なことじゃないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○荻原豊久委員長 桑田水道事業管理者。
◎桑田静児水道事業管理者 開浄水場についてお答えをいたします。
これまでの地域での説明会や地域役員の方々との懇談の席上でお話ししましたとおり、開浄水場の休止という基本方針が変わることはございません。しかしながら、地域からの問題解決に向けた積極的なご提案があれば、検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
○荻原豊久委員長 木村委員。
◆木村正孝委員 管理者が休止方針を変えずにということばかりを言われますと、この間の住民説明会でも前段が全く話がすれ違ったように、前に行かないんですよね。やっとこの間の説明会、それから住民は2回の住民集会開いて、前向きに解決していこうと。これはやはり岸本部長が、これまでのことはあるけれども、前を向いていこうじゃないかと、私はそのために最大の努力をすると、私はいつもこの三十数年間そういうつもりで仕事をしてきたということを住民に訴えられて、非常に住民がそのことに感銘を受けたといいますか、これなら話し合いができるじゃないかということで、心が解けてきたといいますか、気持ちが和らいできたことも事実なんですね。そういうこともありますので、ぜひこの足かけ7年間かけたこの問題の解決へ向けて、前向きに進めるということを第一義に考えていただきたいというふうに思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。もしお答えがあればよろしくお願いします。ないなら結構です。
○荻原豊久委員長 以上で社会議員団の総括質疑を終結いたします。