議事録

平成25年9月 定例会

◆(木村正孝君)

(登壇)平成25年9月議会一般質問を通告の順に基づいて行いたいと思います。
議長の許可をいただきまして、資料を皆さん方のお手元に配らせていただいておりますので、ご参照願いたいと思います。
まず、頻発する行政の仕事ミス改善についてです。
この資料の2ページから3ページに、この10年間の行政のミス一覧表を添付をしております。平成10年からこの平成20年の10月2日までの間に、27件のミスが発生をしております。
さらに、次のページに城南新報の記事もつけておりますが、ことしの7月以降、この2カ月半で7件のミスが連続して起こっているということが発生をしています。仕事上のミスが住民の信頼を失う、行政にとって莫大な損失になるということはもちろんです。さらにこのミスの問題が個人の問題があることはもちろんですが、それ以上に、行政のシステム上の問題に課題があるのではないか、そのことを私は大変危惧しております。
この間のミスの内容につきましては、当然行政の中で十分な議論をされ、この2カ月半のミスはもとより、この10年間のミスについても検討され、今後のことを考えておられると思いますが、まずこの数カ月間のミスの発生の原因と対応についてお尋ねをしたいと思います。

○副議長(山崎恭一君)

土屋副市長。

◎副市長(土屋炎君)

(登壇)この間、事務執行上のミスが続いて発生しておりますことは、本市並びに職員の信用を大きく損なうものであると重く受けとめているところでございます。それぞれの事象につきましては、過去の誤りに気づき是正を図ることができた事象もございますが、事務執行上の不注意により誤りが生じたものや複数による確認作業などが不十分であったものなど、いずれも基本的な確認作業がしっかりと行われておれば発生を防げたものと考えております。この間の事象を受けまして、全職員に対して全体の奉仕者であることを深く自覚し、市民から信頼される職員となるよう、平素から公務員としての資質の向上に努めること、また常に公共の利益の増進を目指して公正な職務の遂行に当たるとともに、市政が市民の信託によるものであることを認識した上で、法令遵守の姿勢のもとに適正な手続により職務を遂行することを指示をしたところでございます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)今、全般的なことを副市長からお答えをいただいたんですが、この中で非常に気になりますのは、基本的なミスが続いていると、これはこの10年間の件数を見ても、非常に共通する問題が幾つかあるんですが、もちろんそのことの分析は個々にしておられるでしょうし、それぞれの担当課でやっておられると思うんですが、私はきょうはその部分は最小限に抑えて、全般的なことについて質問したいと思います。
その中で、不注意であったり、あるいは複数の確認ができていないというお話があったんですが、ちょっとお尋ねしたいんですけれども、現在も仕事の進め方のまず基本として、起案制度は生きているんでしょうか、どうなんでしょうか。民間の場合は稟議というふうにいいます。担当者が提案をして、それぞれ部署を回っていく。行政の場合も担当者が起案を上げて係長、課長、あるいは部長という形で回っていく。自然にシステムとして複数のチェックがいくような形になっていると思うんですが、そのことについてはどうでしょうか。

○副議長(山崎恭一君)

中村総務部長。

◎総務部長(中村俊二君)

(登壇)文書を起案し、決裁をする際には宇治市文書等管理規則に基づきまして、起案者は起案理由、経過、経費等について記載をし、決裁者は起案内容について確認し、決裁をしているところでございます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)今、総務部長からお答えいただきましたように、文書についてはということですけれども、起案制度は生きている。だけれども、行政の仕事をするときには、まず基本は文書をこしらえて、そのことの中で意思決定をしていくというのは基本ではないんですか。そうであれば、起案制度の中で、当然複数の目を通って決裁、決定に至っているというのが前提だと思うんですけれども、どうしてこういうふうなことが起こるんでしょうか。複数のチェックがかからなかったとかというのが、今回の最初に言われたことですけれども、それ自身が非常に不自然ではないのかと。そしたら決裁が回っている間、例えば担当者が起案を上げて係長が見る、係長の次には課長が見る、最終は部長が見る、そこで問題が発見されていないということであれば、起案制度そのものの意味がなくなってくるじゃないですか。決して1人だけが文書をつくり、1人だけが物事を決めるという形にはなっていないと思うんですよね。必ず複数でチェックがかかって、物事が決定されている。もちろん権限によって、事柄によって回る人数の差はあると思いますけれども、決裁区分の違いはあると思いますけれども、担当者だけが決めているわけではない。そういうことが一つであるのにもかかわらず、どうなんだ。
2つ目の問題としてお尋ねしたいと思うんですが、日常の仕事というのは、それぞれの仕事の中でトレーニングが積まれていくものだと思います。オン・ザ・ジョブ・トレーニングというふうに申し上げますけれども、管理監督者は日常業務を通じて職員のトレーニングをする、職員はその仕事を通じて、それをやるときにいろんなことを学んでいく、勉強していくというのがシステムだと思うんですね。このオン・ザ・ジョブ・トレーニングということについては、今は機能的にはどうなんでしょうか。

○副議長(山崎恭一君)

栢木市長公室長。

◎市長公室長(栢木利和君)

(登壇)OJTのトレーニングの状況でございますけれども、当然やはり職場を基礎にした研修というのは日常から常に実施をしておるところでございます。したがいまして、やはり管理職が中心になりまして、そこの職員の研修を常に状況把握をしながら適切な助言、指導をやっておる、その中で研修を進めておるところでございます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)今、公室長にお答えいただいたそのとおりだと思うんです。それがやっぱり機能しているということは前提だと思うんです。そしたら、少しこのことについて具体的にお尋ねしたいと思いますが、この間、問題になっておりましたプールの料金の誤徴収の問題がございました。これは数年前からの条例改正が行われているにもかかわらず、条例に基づかずに就学前の子供さんの料金を徴収していたと。無料に条例改正しているのにお金をとっていたというのが、ことし発覚をいたしました。数年前からそうなっていたと、それがことしわかったと、こういうことなんですが、このことについて、これまでの経過とそれの後の対応について、どのように総括をし、今対応されているのか、お尋ねしたいと思います。

○副議長(山崎恭一君)

木下都市整備部長。

◎都市整備部長(木下健太郎君)

(登壇)今回のプール使用料誤徴収については、条例改正時において小人の扱いを文言修正と誤って認識し、施設管理者である指定管理者にこの改正内容を周知できていなかったことが原因であったと考えているところでございます。また、その後も3年間にわたり改正された条例内容が実際のプール使用料に反映できていなかったことも問題であったと考えております。このため職場では改めて問題意識を共有するとともに、再発防止といたしまして、条例改正作業においては、改正内容の確実な点検と確認等を複数の職員が必ず実施するとともに、決裁の各段階においても決裁権者がそれぞれが問題意識を持って決裁を行う必要があると考えております。
加えて、有料公園等に係る案件については、今まで以上に指定管理者とも十分に連携を図り、確実で円滑な施設運営に取り組むとともに、プールに関してはシーズンごとに条例までさかのぼった確認を市と指定管理者双方が行うことも必要と考えております。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)今、条例改正のことも含めてお答えをいただいたんですが、そうであれば、日常的に行政の仕事というのは、条例に基づいて、あるいは法律に基づいて仕事を進めるというのは基本になっています。しかし、今のお話を聞いていますと、3年間、条例改正というよりは、文言修正として処理したという、まさにこの感覚が条例改正であるにもかかわらず、言葉を変えたということだけの認識であったというところに私は大きな問題があるのではないかと思います。
その意味でお尋ねしたいんですが、今の都市整備部においても、さらにこのことについては総括をしていると思いますけれども、日常的に、全体的に仕事のマニュアルなり、あるいは引き継ぎなり、そういうものを前提に仕事は進められていて、なかなか条例や法令を見るという機会が少なくなっているのではないかという気がするのですが、そのあたりについては、今の公園緑地課の場合、どういうふうだったのでしょうか。

○副議長(山崎恭一君)

木下都市整備部長。

◎都市整備部長(木下健太郎君)

(登壇)今回の案件に関するマニュアル等は現在存在しておりません。ただ、原則として条例改正でございますので、十分な確認とそれから条例改正内容を公園公社等現場にしっかりと伝えるという基本的な部分が欠落しておったのではないかというふうに反省しているところでございます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)もう一つ、この資料にもつけておりますが、今回のミスがなぜ起こったのかということを考えていくときに、ひょっとしたら職員研修が最近は景気の関係で削減をされているんだろうかというふうなことも含めて、この資料の5ページに、この10年間の職員研修費の決算額の推移の資料もいただきました。これで見ますと、大体800万円前後でこの10年間推移をしているということで、職員研修についてはこの10年間、減額もせず、内容的にもそれほど変わらずに行われていると。
さらに、次の問題として確認をしたいんですが、この次の下に職層別平均年齢と一覧というのをつけております。これもひょっとしたら団塊の世代が一挙にたくさん抜けたので、幹部のなり方について問題があるのではないかと、このようなご意見も私は何回か聞きました。そういう意味で、この部長、次長、課長、主幹、係長という形でそれぞれの人数と平均年齢、この資料をいただいたんですが、これを見ますと、やっぱり40代で課長、50代で部長ということで、これまでの団塊の世代のときとそれほど大きな差はないのではないか、こういうふうに思うんですが、このあたりについてはいかがでしょうか。

○副議長(山崎恭一君)

栢木市長公室長。

◎市長公室長(栢木利和君)

(登壇)まず、2点、お尋ねいただいております。
まず、職員研修の関係につきましては、人材育成の観点からも非常に重要であると考えており、研修内容を充実させているところでございます。また研修に関する経費も厳しい財政状況ではございますが、毎年必要な予算を確保し、職員研修計画に基づいて計画的に実施をいたしておるところでございます。
次に、団塊の世代の大量退職の関係があるのかというようなご質問でございますけれども、今回の一連の事務ミスの発生につきましては、いずれも確認作業がしっかりと行えておれば発生を防げたものと考えており、団塊の世代の大量退職とは直接的には関係がないものと考えておるところでございます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)そういうふうに見ていきますと、特にこれということが、これが大きな原因だったんだというところがなかなかわかりにくい今回のミスでございますし、この10年間、あるいは特に3年間を見ましても続いていることの個々の問題として、さらに検証が必要ではないのかなというふうに思います。その意味では、抜本的な改善に向けた対策についてどのようにお考えなのかをお聞かせ願いたいと思います。

○副議長(山崎恭一君)

栢木市長公室長。

◎市長公室長(栢木利和君)

(登壇)事務執行上のミスを発生させないためには、職員一人一人がミスを発生させないという強い意識のもと、事務執行の基本に立ち返り、各所属において日常業務の再点検と問題点の整理を行い、確認段階では、誤りがあるという前提でしっかりとした確認作業や読み合わせ作業、さらには管理職が視点を変えた点検を行うなど、業務内容により具体的な防止策を日々の業務の中で徹底していかなければならないと考えております。そのためには、職場研修を日常的にしっかり取り組んでいく、その中で職員の意識改革を図っていくことがより効果的であると考えており、その点からも管理監督者の果たす役割が大変重要であると考えているところでございます。
今後は所属長研修等の中で事務ミスの防止策について重点的に取り上げて、まずは管理監督者の意識改革に取り組み、日常の職場研修を通じて職員全体の意識改革を図ってまいりたいと考えております。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)この質問の最後にしたいと思いますが、今回のミスにつきまして、市長から訓令が出ております。資料の1ページ目に掲載をしておりますけれども、この中で今、お答えをいただいたような考え方が十分に入っていると思うんです。問題はこういう市長からの訓令の中で、個々の具体的な問題点の整理や具体的な防止策の実行について書かれておりますけれども、仕事のミス防止のための点検が継続的、組織的に行うシステム構築が必要ではないか。例えば副市長をリーダーとするようなプロジェクトチームを起こして、その中で各所属の部単位で何をするのか、さらにはそれを定期的にどういうふうに点検していくのかというふうなことも含めて考えてはどうかと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。

○副議長(山崎恭一君)

土屋副市長。

◎副市長(土屋炎君)

(登壇)今、具体的なということで、例えばで副市長をリーダーとするプロジェクトチームでどうかということのお尋ねでございましたけれども、これまでご答弁させていただいておりますように、今回の一連のミスというのは、基本的には事務執行上の基本的な確認作業、これをしっかりとそれぞれが行う、それぞれの段階でしっかりと行うということが基本であろうというふうに思っております。そのためには、管理監督者がそれぞれの職場、現場の持ち場で職責を自覚することが何より重要でございますし、その職責に応じた業務管理、事務管理などを日々の業務の中で、先ほどからご質問もございましたけれども、研修ということで、これは日々の業務の中で、つまりOJT、職場研修をしっかりとやっていくと、こういうことを全庁的に徹底をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。まずは今申し上げました各職場において事務の進め方等、るる申し上げましたけれども、そういったことをしっかりと徹底していくということに注力をしていきたいと、このように考えております。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)OJTといいますか、仕事を通じて日々の現場の中で物事を再度起こしていこうと、点検をしていこう、進めていこうと、それは基本的に行政の業務の中でも大変重要なことだというふうに思います。ただ、片方で今回起こっております問題は、突然起こったわけではなくて、数年前からのミスが今日に現出をしていると、そういうふうなことでございますから、そういう意味では仕事の全体の制度疲労ということも含めてあるのではないのかなと。この際、市長が訓令を出されましたが、おかわりになったわけですから、ぜひ市長がリーダーシップをとられて、全体的なマネジメントをしっかりやっていただきたい、このことについては、そのようにお願いをして、またの機会にもう少し具体的な検証ができましたら、改めてお伺いをしたいと思います。
次に、行政改革についてお尋ねをしたいと思います。
まず、行政改革の一番目に、古紙回収システムの10年の実績と評価ということを掲げております。きょうのこの質問に先立ちまして、まず資料の7ページをごらんいただきたいと思います。これは紙ごみ焼却禁止という毎日新聞の9月24日付の記事なんですが、大阪市が10月から紙類のリサイクルを義務づけたと、焼却工場への搬入を禁止したと、近畿の政令市では、初の取り組みであると、こういうふうなことが大々的に取り組まれております。ざっとこの中でいきますと、71万トンのうちの8万トンが資源化可能な紙類だと。約11.26%になるんですが、大きく新聞に取り上げられています。
ところが、このことは宇治市では既に10年前にされております。平成16年からこの紙につきましては可燃ごみとしては収集しない、このことについては自治会で回収をしてもらうんだと、まず燃やさないんだと、ごみじゃなくてリサイクルするんだと、こういう大きな理念のもとに、そういうことが行われました。実際の実施主体は、これまでは市が紙のものだけを直営で収集をしてリサイクルするという考え方もあったんですが、10年前にはそれを市じゃなくて自治会・町内会で業者と契約を結んで回収してリサイクルをすると、こういうふうなことをされましたので、そのことによりまして、この古紙の回収システムにつきましては、処理処分経費だけでなくて回収費も実は節約ができたというところなんです。
それで、これでごらんいただきたい。8ページ、ここに原課からいただきました数字を全て平成14年から書いております。この全体のことについて、まず原課のほうからご説明いただきたいと思います。

○副議長(山崎恭一君)

宇野市民環境部理事。

◎市民環境部理事(宇野哲弥君)

(登壇)古紙回収事業につきましては、森林資源の保護と地球環境の保全を図り、ごみの減量と資源の有効利用を目的といたしまして、新聞紙、雑誌、段ボール、古布等の回収を実施してきたところでございます。
実施当初は自治会・町内会等で分別していただいた古紙を市が収集する場合にのみ報奨金を交付してまいりましたが、平成14年1月からは民間業者による回収も報奨金の対象として拡大してきたところでございます。
また、古紙につきましては、燃えるごみでも収集しておりましたが、平成16年度からは完全に分別収集に移行し、さらに自治会・町内会等による民間回収業者を活用したリサイクルの取り組みを促進するなど、資源ごみの分別回収に取り組んできたところでございます。
これらの取り組みによりまして、平成24年度の古紙回収量は約9,900トンで、平成14年度の約1.8倍となっておりますことからも、一定の成果を上げてきたものと考えているところでございます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)今、説明いただきましたように、段階的にそういうふうにされて16年から全面的にされた。この数字の一番上はまだ自治会がなくて、回収が市で直営でやっている部分、それから自治会等の分の二段目が収集量、これが各年度で大体9,900トンから1万トンということで、合計ではこの10年間で9万1,777トンという数字になっております。報奨金と書いていますのは、宇治市の場合はキロ5円で自治会が集めた分については市に申請すれば市が報奨金を出すと。これは町によって久御山町とか城陽市なんかも金額が違いますが、宇治市の場合は5円と。この5円を払ったことの合計額が4億6,100万円、この合計に書いておりますが、大体毎年1万トンぐらいですから、ざっと5,000万円ぐらいが報奨金で払われていると。問題はその4億6,000万円から5億円弱が払われているわけですが、まず一つは自治会が取り組んでどうだったのかというのがこの自治会回収団体の数と下のほうに入っている割合が載っているんですが、これで見ますと、一番最後のところで97.47%と書いてありますように、自治会・町内会が集めていることについては、97%がこの取り組みを実行してきたと、その意味では非常にすぐれた実績を上げているわけです。
さらに、このことによって経費がどれだけ節約できたのかといいますと、この処理、収集処理経費(円)/トンと書いていますね。これが毎年の金額です。大体4,700万円ぐらいから5,300万円ぐらい、それぞれが払われている報奨金、節約処理費、これは収集運搬経費と処理費、要するに収集運搬をするパックマスターが回収して回る経費とさらに折居清掃工場に可燃ごみとして入れた場合には、それを処理をして埋め立てをする処理処分経費が要りますから、その経費が10年間で45億4,600万円、こういう数字になっております。その意味では、この報奨金として払った4億6,000万円、実際に節約できた45億4,600万円、その差額としては約40億8,700万円がこの10年間で行政の経費が浮いていると、節約できているということになるわけです。
これは先ほど現場の担当部長が一定の成果というふうにおっしゃいましたけれども、私はこれはすごい成果じゃないのかなと、行政がみずから考え出し、みずからやってきた結果としては、すごいことではなかったのか、そのように考えております。これは全国的にもそれほど例があるわけではありません。大阪市もいよいよこれから始めようと、こういうことなんです。その意味では、私はこれ自身が行政改革の大きな一つであるということで評価をしておきたいというふうに思います。その意味では、宇治市の行政の中には、そういう力があるんだということを改めて確認をすることは大変重要ではないかというふうに思います。
2つ目に移ります。それとは裏腹に、次は収集体制の問題です。このことにつきましては、2人体制のところについてお尋ねをしたいと思います。
まず、可燃ごみの収集につきましては、現在3人体制でやっておられます。これは4台ですか、民間に委託をされておりますが、それも3人と。ところが同じごみの中で不燃ごみ、資源ごみ、それにつけては、もちろん民間委託になっておりますけれども、1台2人体制です。どうして可燃ごみについては、いまだに3人体制なのか、そのことについて、これまで昨年の予算委員会、ことしの予算委員会でもお尋ねをしておりましたが、改めてお尋ねをしたいと思います。
さらに、ことしの予算委員会の中で、このように答弁をいただいております。委員ご指摘のように、乗務体制につきましては、山間部など交通量が少ないような地域、2人体制による収集体制が築けないか、引き続き検討しているところでございますというのがことしの予算委員会のごみ減量推進課長の答弁でありました。それも含めて今日の段階で収集体制についてのお考えをお尋ねしたいと思います。

○副議長(山崎恭一君)

宇野市民環境部理事。

◎市民環境部理事(宇野哲弥君)

(登壇)可燃ごみの収集につきましては、厚生労働省労働基準局長の通達、清掃事業における安全衛生管理要綱にあります重量があるものは腰痛防止に留意して、2人で運ぶようにさせることを踏まえるとともに、1日で集める総量、安全作業の確保、交通事情の面等からも、2人の作業が必要と考えているところでございまして、運転手と合わせて3人乗車としているところでございます。
なお、過去に答弁をさせていただきました検討につきましては、現在も継続して検討させていただいているところでございます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)先ほどお答えいただいた厚生労働省の労働基準局の局長通知ですよね。これ改めて聞きますけれども、安全衛生管理要綱、これは一体いつのやつでしょうか。わかりますか。

○副議長(山崎恭一君)

宇野市民環境部理事。

◎市民環境部理事(宇野哲弥君)

(登壇)平成5年3月2日付で公布されたものと認識をいたしております。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)今、3人乗務の根拠になっているその根拠となる通知、通達というんですか、これは平成5年3月2日というお答えをいただきました。ということは、この通達は20年前なんですよね。この20年間でごみ質は大きく変わっていると、重量も変わっていると、そのことを私はずっと言ってきているんですよね。45リットルのごみ袋が1個、これがそれぞれ住民から出されるわけですけれども、焼却場へ行って見てくださいよ。もう昔みたいに水気が多くて紙ごみが多くて、ずっしり重いというごみなんかないですよ。もうふわふわしておりますよ。クレーンで持っても、軽い、軽いですよ。それぐらいにごみの質がこの20年間で大きく変わっていると、まずこれが一つ大きな私が言っている根拠なんです。
もう一つ、先ほどおっしゃいましたが、腰痛防止のために2人でやる必要があるんだと、そしたら住民の方はごみを2人で出してはるんでしょうか、週2回、可燃ごみを。そんな光景を見たことありますか。20年前はあったかもしれませんよ。今日、住民の方がごみ袋を2人で出しているなんて見たことありません。現実にごみ収集も今のこの安全衛生管理要綱でいきますと、重たいから2人で持つと、2人で持つんですよね、この通知は。現実の収集として、今2人でごみを持ってパッカー車に入れている光景なんてどこにもありませんよ。一人一人の作業員の方がごみの袋を持ってパッカー車へ運んでおられる。場合によったら2つ、3つ持って入れてはりますよ。そういう時代に変わっているということなんですよね。それを何で今20年前の通達を後生大事に、それが根拠だと、全く実態に合わない、そんなことはしていないのに、腰痛のためにごみを2人で持つ、だから2人要るんだ、これについては、余りにも実態とかけ離れているんではないか、そのように思うんですが、いかがでしょうか。

○副議長(山崎恭一君)

宇野市民環境部理事。

◎市民環境部理事(宇野哲弥君)

(登壇)ただいま議員からご案内がありましたとおり、確かにごみは減量化も進んでおりますし、一定、1つのごみ袋に収まっているごみにつきましては、質も量も変わっているものと認識はさせていただいています。先ほど答弁をさせていただきました内容につきましては、一つの3人乗車で対応しておるという内容についての内訳をご説明申し上げたところではございますけれども、それが全てであるというふうに我々としても、その通達が全てであるとは認識をしているわけではございません。そもそも清掃事業におけます日々のごみの収集業務につきましては、収集車両のいわゆる解体場への巻き込み等も含めまして、大変危険な作業を伴うものと考えているところでございます。したがいまして、収集業務のあり方を検討するに当たりましては、収集中の車両の確保、通行をされます歩行者の皆様や収集車を回避されます車両等の交通事情等を考慮した十分な安全性を最も優先して考慮する必要があると考えているところでございます。また、さきにお答えを申し上げました作業する職員の労働安全上の確保も含めて、今申し上げました内容等を総合的に考える必要があるものと考えているところでございます。
以上のことから、いかに車両の停車時間を短くし、また安全、効率等を考慮いたしますと、現在の3人の乗車により収集することは、現時点におきましては適正であると考えているところでございます。
しかしながら、一方では行政改革等の観点から、引き続き常に現状の事務のあり方につきましては、効率等を追求をいたしまして、市民サービスの向上を図る責務があるものと考えているところでございますので、ご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)まず、3人乗務にする法案上の根拠は基本的には変わっている、それは今、理事もお認めになったと思うんですね。そして今おっしゃった幾つかの理由を現実に考えますと、そしたらどうして不燃ごみは2人なんですか。缶やペットボトルや発泡スチロールを集めている資源ごみは2人なんですかとお尋ねせなあきませんよね。同じごみですよ。軽さもそれほど、発泡スチロール以外は、そんな極端に不燃ごみと可燃ごみと資源ごみが変わるわけではないですよ。特に資源ごみで空き缶なんか重いですよ。そういう中で、そしたらなぜ向こうは2人なんですか、同じ市が委託をしているのに。どうして可燃は3人なんですか。交通事情も住民との関係もそういう労働者の安全衛生も、当然委託であっても行政は前提に考えておられる。そこのところについて矛盾はありませんか。

○副議長(山崎恭一君)

宇野市民環境部理事。

◎市民環境部理事(宇野哲弥君)

(登壇)現在委託をいたしております不燃ごみの収集につきましては、1日約3,400トン程度であったというふうに記憶をさせていただいております。一方、可燃ごみにつきましては6,000から7,000トンということで、1台で収集をさせていただく収集量につきまして、約1.5倍から2倍近くの重量差がございますので、1名で収集するのと、2名で収集することについては、一定の考え方は成り立つものというふうに考えているところでございます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)苦しい答弁、ありがとうございました。それは率直に言いまして、回収量が違うんだ、そしたら不燃ごみは、今の台数は、そしたらそれぐらいの余裕がある台数で委託をしているのかと、そんなことはないはずなんですよね。今、委託台数を調べましたけれども、不燃ごみ10台ですよね、20人、そしたらそれだけの量しかないんだったら、1日の回収量をふやして委託台数を減らせばいいんですよね。そんなことはないわけでしょう。現実に必要な台数として委託をしておられる。これ資源ごみについても6台で12人、可燃物の委託については4台で3人の12人と、可燃ごみだけを特にそういうふうに、委託もそういうふうに行政が決めてそういうふうにしているんですよね。ですから、不燃ごみは回収量が少ないから2人でいいんだと、それは当たらないですよ。
このことについては、これで終えたいと思いますけれども、私が言いたいのは、行政改革というのは、民間委託をすることによって行政改革ができるんだと、そういうことではないよと。職員がみずからいろんなことを考えてやれば、10年間で40億ものお金が浮くんだよと、片方で今のごみ収集が3人体制で、いまだに、もう20年前とごみが変わっているのに同じことでずっときている、これ自身は見直しをしていいじゃないかと。今の3人乗務を2人乗務にすることによって、人数的にも10台が浮くんですよね。そしたらその10台分、20人で委託している不燃ごみを直営に戻すことが可能なんです。あるいは資源ごみ6台、可燃ごみ4台ですよ。これも今委託をして年間6,700万円ぐらい支払っていると思いますけれども、それを直営ですることができるんですよね。そういうことをぜひ考えていただきたいし、取り組んでいただきたいというのが私の考え方なんです。
実際に、これ言いますけれども、ほとんど3人乗務はないですよ。神戸市が去年から全面2人乗務に変えました。今までは政令市がまだ3人乗務ということを一部やっていたんですが、横浜市はかなり早い時期に、週休2日制を導入した段階で2人乗務にしておりますし、神戸市は昨年から2人乗務に変えました。要するに、ごみが変わった、だからもう2人で一緒に持つ必要はない、そうであれば、昔のようにさらに戸別で家の前をずっと集めていたときは、運転手はずっと乗ってなあかんかったんです。ところがステーションにすることによって、その運転手がずっとそれに乗ってなあかんことはないんですよね。そのステーションで運転手もおりて、2人で入れて移動すればいいんですよ。それが可能なんですよね。戸別収集のときは家の前をずっと順番に行きますから、ずっと車を動かしていかなあかん、だから2人ということもあったんです。そういう要素も含めて、今はもう変わってきていますので、そういう意味では、今の乗務人員の問題は、ぜひ2人ということを検討していただいて、そのことが決して労働者にとって過酷な労働条件の変更になるというふうには思いませんので、むしろそれよりは自分たちの直営をふやすと、そのことによって自分たちの仕事をふやすということの意味が私は大きいと思いますので、ご検討をいただきたいと思います。このことについては、このようなことを指摘しておきたいと思います。
次に、時間の関係もありますので、行政事務の広域と共同処理についてお尋ねをしたいと思います。
時間の関係もありますので、このことについてはできるだけ短くしたいと思います。まず、この行政事務の広域化、あるいは共同処理について、今宇治市がかかわっておられるのはどのような組織があるんでしょうか、お答え願いたいと思います。

○副議長(山崎恭一君)

中上政策経営部長。

◎政策経営部長(中上彰君)

(登壇)本市の事務の共同処理及び広域にわたり処理をしている事務組合、広域連合といたしまして、城南衛生管理組合、淀川木津川水防事務組合、京都府自治会館管理組合、京都府住宅新築資金等貸付事業管理組合、京都府後期高齢者医療広域連合、京都地方税機構でございます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)今、市がかかわっておられるのは、資料の6ページにつけておきましたが、順番が変わっておりましたので見落としておりました。今、6つの団体と主な構成市町村がここに書かれております。その中で特に今回問題になっております城南衛生管理組合のことについてお尋ねをしたいと思います。
城南衛生管理組合は、一部事務組合です。どちらも広域連合も事務組合も地方自治法に基づく特別地方公共団体ということで、東京の23区も合わせてそういう位置づけがされておりますが、この中で廃棄物の共同処理の目的と効果についてどのようにお考えか、お尋ねします。

○副議長(山崎恭一君)

宇野市民環境部理事。

◎市民環境部理事(宇野哲弥君)

(登壇)城南衛生管理組合は、昭和37年に宇治市ほか4町し尿処理組合として設立をされまして、昭和39年に現在の城南衛生管理組合に名称変更され、昭和43年からごみの共同処理事業も加えられ、50年以上にわたりまして本市を含む廃棄物の広域処理行政を担ってこられたところでございます。
その中で、ごみ処理につきましては、高度な処理が可能な単独施設をそれぞれ重複して設置するよりも、環境面、経済面、事務の効率化から広域的に処理することで効果的かつ効率的な運営がされてきたものと考えているところでございます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)今、お答えいただきましたように、この広域行政がこれだけ広がったというのは、それだけのさまざまな利点があって、特に経済性やあるいは土地についてあったと思うんです。私が調べましたところでいきますと、単独で処理している一つの市の場合ですが、可燃ごみで3万1,500円、いただいております城南衛生管理組合の場合は2万1,700円と、3年間それぞれ資料をいただきまして比べてみましたが、大体共同処理に比べまして単独処理の場合は45%から65%、経費が高くついていると、このようなデータが私の手元にあります。
そういう意味では、廃棄物の共同処理の目的と効果というのは、何よりも安く上がるということが1点と、もう一つはスケールメリットを生かすことによって、そういう技術的な向上の運転管理が高度な技術を導入することができるというふうな利点があると思います。ただ、今日、城南衛生管理組合では、きょうの前の質問にありましたように、法令違反、あるいは無許可の形をとっていたという重大な問題が起こっておりますが、このことについて、やはり城南衛生の管理者でもあり、宇治の市長が管理者でございますが、このことについて少しだけご意見をお聞きしておきたいと思います。
特に、私が思いますのは、管理組合の議会ではありませんので、宇治の市長として、折居清掃工場のことも含めてございますので、簡単で結構ですから、ご意見をお聞かせください。

○副議長(山崎恭一君)

山本市長。

◎市長(山本正君)

(登壇)城南衛生管理組合の構成市の市長としてお答えを申し上げます。
折居清掃工場における基準値を超える排ガス発生等の事案及び奥山埋立処分地の排水処理に関する事案につきましては、本市市域の環境や市民の皆様の健康に著しい影響を与えた可能性は少ないとされているものの、市民の皆様の安全・安心を守り、本市市域の環境を保全する立場から、また分担金を負担している構成市の立場から申し上げますと、大変遺憾であると言わざるを得ない事案であると考えており、城南衛生管理組合におかれましては、これまで行ってきた業務について改めて点検され、必要に応じて改善を図られるものと考えております。
本市といたしましては、二度とこれらのような事案が発生することがないよう城南衛生管理組合で行われている検証や今後の対応に期待するとともに、必要に応じて協議や要請を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)ありがとうございました。折居工場もありますし、まだ解決はしておりませんが、これもやはり一つの制度疲労のようなことも含めて起こっているのではないか、特に平成17年4月に新長谷山清掃工場が稼働時から、現場が全部民間委託に、たった5年間で全部の現場を民間委託するという急激な変化の中で現場の職員と上層部の間に大変な乖離ができているということも聞いております。その辺のことも含めまして、ぜひ市長のご尽力をお願いしたいと思います。
時間の関係もありますので、次にいきたいと思います。
この9月28日からいじめ防止対策推進法が施行をされています。私は昨年の9月の定例会やことしの予算委員会においても、このいじめの問題を学校内だけの問題ではなく、社会的な問題としてやるべきだというふうに提起をしてまいりました。今回法律が社会問題として、教育問題と同時に、社会問題としてそういう法律の制定になったわけですが、このことについて原課のほうはどのように評価をしておられるのでしょうか、お尋ねしたいと思います。

○副議長(山崎恭一君)

中谷教育部長。

◎教育部長(中谷俊哉君)

(登壇)市教委といたしましては、今回のいじめ防止対策推進法が施行されたことを重く受けとめ、学校、市教委、行政に課せられた責務を十分認識し、その基本理念にのっとり、これまで各学校で取り組んでまいりました教育活動を点検し、保護者や地域の青少年健全育成団体、関係機関等と連携して、いじめ防止に向けた対応をさらに推進していく考えでございます。いじめの問題が全国的に注目をされ、社会全体で取り組む必要がある問題であることは、議員ご指摘のとおりであると認識しております。
本市におきましても、アンケート調査において子供たちが嫌だと感じた事象は多数把握され、各学校におきまして丁寧な聞き取りとその後の指導により、これらのほとんどは解消し、残った事象についても解消に向けて引き続き指導に当たっているところでございます。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)このいじめ防止法の重要な点については、この資料の9ページ、10ページにそれぞれ資料をつけておりますので、ご参照いただきたいと思います。
それでは、さらにこの予算委員会において、今年度、いじめの問題についてどのように取り組んでいくのかということについてお尋ねをいたしました。そのことについて、この半年の間にどのような具体的取り組みをされたのか、お尋ねしたいと思います。

○副議長(山崎恭一君)

中谷教育部長。

◎教育部長(中谷俊哉君)

(登壇)この間、教育委員会が取り組みましたいじめ対策といたしましては、教職員がいじめに対する認識を深め、その兆候に気づき、重大ないじめに発展する前に対応できるよう小学校生徒指導研修講座など、さまざまな機会をとらえ研修を実施してきております。また、児童・生徒に対しましては、アンケート調査や教育相談を実施し、実態把握に努めるとともに、順次警察と連携して実施している非行防止教室の中でいじめ防止に係る指導を進めております。
さらに、先ほどお答えしましたように、学校だけで解決が困難な事象に対応するため、教育委員会内に臨床心理士や社会福祉士、警察や児童相談所などの専門家を交えた学校支援チームを立ち上げ、活動を開始したところでございます。この支援チームは月1回程度の会議を予定しておりますが、委員長判断で会議開催まで待てない場合は委員への個別協議や相談を行うなど、問題の解決に向けて臨機に対応いたします。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)それでは、教育委員会としては最後になりますが、この法律で先ほどの私の指摘どおり社会問題として捉えながら取り組んでいるということについては、確認をさせていただきました。この法律では、非常に重要な点として、学校のいじめ防止基本方針を策定し、それに基づいて具体的な取り組みをすることというのが義務づけをされております。さらに地方公共団体におきましては、地方いじめ防止基本方針を策定する努力義務が規定をされております。その意味で学校のほうのこれからの取り組み、さらには行政のほうの地方公共団体のほうの取り組みについてそれぞれからお答えをいただきたいと思います。

○副議長(山崎恭一君)

中谷教育部長。

◎教育部長(中谷俊哉君)

(登壇)市教委といたしましては、いじめ防止対策推進法の基本理念に基づき、学校の内外を問わずいじめが行われなくなりますよう取り組みを進めてまいります。学校におきましては、予知予防、早期発見、早期対応に努め、いじめが重篤な事案に発展しないように人権教育全体教育計画に基づく教育活動を道徳の時間を初めとして、あらゆる機会を捉えて行います。これらの指導を通して、人を思いやる心の育成や人の嫌がることをしないという人権意識の育成を進め、いじめをしない、させない学校・学級づくりをさらに進めてまいります。
また、青少年健全育成協議会や少年補導委員会、育友会などと連携して、地域懇談会や挨拶運動の実施など、地域全体で心を育て、いじめをなくす取り組みをさらに進めてまいります。今後もし重篤な事案が発生いたしました場合は、学校支援チームとも協力して、関係機関、市長部局等とも連携しながら毅然とした態度で適切に対応を進めてまいりたいと考えております。

○副議長(山崎恭一君)

野田市民環境部理事。

◎市民環境部理事(野田浩靖君)

(登壇)本市におきますいじめ防止対策といたしましては、宇治市人権教育啓発推進計画の本年度実施方針におきまして、重点事項であります子供の人権にいじめの問題も位置づけ、さまざまな啓発活動を行っているところでございます。引き続き本計画に基づきまして子供一人一人の人権を尊重し、人権に関する正しい理解と認識を深めるとともに、他者の立場を尊重し、違いを認め合えるように成長できる環境をつくる取り組みを進めるなど、教育委員会とも連携して、一層の人権啓発を図ってまいりたいと考えております。
また、今般、法が施行されましたいじめ防止対策推進法に関するところでございますが、これら啓発のほか、地方いじめ防止基本方針の策定やいじめ問題対策連絡協議会の設置など、地方公共団体で取り組むべき事項につきましては、今後いじめ防止に関する国や府の基本方針を参酌し、近隣の動向も参考にする中で、本市としての方針を検討してまいりたいと考えております。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)ありがとうございました。いじめの問題につきましては、これで終えておきたいと思います。
最後の項目であります観光振興計画についてお尋ねをしたいと思います。
一番目に、昨年の災害で大分観光振興計画がおくれているというふうにもお聞きをしておりましたが、現在の進捗状況についてお尋ねをしたいと思います。

○副議長(山崎恭一君)

松田市民環境部長。

◎市民環境部長(松田敏幸君)

(登壇)本年4月に策定をいたしました宇治市観光振興計画では、5つの戦略で構成をしておりますアクションプランに具体的な実施年度を示しているところでございますが、平成25年度はその多くが研究、検討となっているところでございます。
主な進捗状況では、まず宇治茶ブランド活用戦略では、JR宇治駅前観光案内所でのお茶のほうじ器を活用したお茶の香りの演出の実証実験を実施したところであり、また市営茶室対鳳庵での取り組みについて茶道連盟と意見交換を行っているところでございます。
次に、豊富な観光資源の保全活用戦略では、宇治橋上流の景観保全整備のため、宇治市観光協会において桜プロジェクトの取り組みが始められているところでございます。
3つ目に、観光コンテンツの開発と魅力向上戦略では、フィルムコミッション設立の検討に向け、先進地であります神戸市や北九州市を視察したところでございます。
4つ目に、おもてなしの心を持った人材育成、環境整備戦略では、インバウンド対策強化の一環として、台湾へのトップセールスに要する経費を9月補正予算に計上させていただいているところであり、また店舗トイレの一般開放制度の研究としては、宇治市観光協会とともに、奈良市のならまちへの視察研究を行ったところでございます。
最後に、情報発信力向上戦略では、緊急雇用創出事業を活用し、宇治市の情報発信のあり方について首都圏向け、京都観光客向け、リピーター向けにそれぞれどのような情報をどのような媒体で発信するのが効果的か等につきまして、研究、検討しているところでございます。
いずれにいたしましても、観光都市宇治のブランド力を高めるため、観光協会を初め、観光事業者や関係団体、市民の皆様とも十分な連携を図り、各アクションプランの実現に取り組んでまいりたいと考えております。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)次に、非常に重要であります宇治茶の世界遺産ということについて京都府が非常に精力的に取り組みをしておりますし、当然この世界遺産に登録をするとなりますと、宇治茶にとっても非常に大きなポイントがあると思います。きょうの先ほどのお答えの中でも、市長のほうからも、宇治茶についての発信をしていくということは言われておりましたが、この世界遺産に向けた取り組みとしての宇治市の取り組みについて、要点だけお聞かせください。

○副議長(山崎恭一君)

木下都市整備部長。

◎都市整備部長(木下健太郎君)

(登壇)宇治茶の世界文化遺産登録に向けましては、大きく3つの取り組みが必要であると考えております。
まず1つ目が、日本茶、宇治茶の世界文化遺産登録検討委員会における検討の推進、2つ目が宇治茶の世界文化遺産登録推進プラットホームにおける官民一体となった取り組みの推進、3つ目が山城地域における宇治茶に関連する構成資産の国内法による保護措置の確立が必要でございます。
これらの取り組みをバランスよく進めることが重要でありますことから、京都府を中心に関係市町村を初め、関係団体等と連携して、それぞれの役割に応じた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
日本茶、宇治茶の世界文化遺産登録検討委員会では、世界文化遺産登録に向けた考え方といたしまして、その資産名称案を仮称日本茶のふるさと宇治茶生産の景観とし、フランスのサンテミリオンやコロンビアのコーヒーと同様に、文化的景観としての価値づけを検討しているところでございます。
一方、本市は宇治茶の生産、加工、流通に関する全ての要素が集約されており、こうした生業にかかわる景観が評価され、既に国の重要文化的景観に選定されていることから、本市といたしましては、重要文化的景観の保全に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
また、世界文化遺産への登録は観光面や宇治茶の生業面での付加価値を生む大きな可能性を持っておりますことから、本市といたしましても、世界文化遺産登録に向け積極的にかかわるとともに、まずは世界文化遺産登録に向けた国の暫定リストへの掲載に向け努力してまいりたいと考えております。

○副議長(山崎恭一君)

木村正孝議員。

◆(木村正孝君)

(登壇)ぜひこの世界遺産登録については、宇治市としても頑張っていただきたいということだけを伝えておきます。
これで最後になりますが、昨日も東京オリンピックと観光振興の関係が言われておりました。私は個々の問題ではなくて、今の観光振興計画の中の5年、10年の計画でございますが、9割ぐらいはもちろんそういう具体的なことに基づいて進められていくだろうというふうに思いますが、例えば1割ぐらいはそれぞれの変化、あるいは情報の変化、取り組みの変化ということも踏まえて、1割の部分は柔軟に取り組んでいくというようなそういう振興計画があってもいいのではないか。京都府においては3年ごとに見直すというふうな計画もございます。あるいは、神戸市では5年ごとですが、5年ごとに計画をつくり直すというふうなこともやっておられます。そういう意味では非常に時代のテンポが早うございますから、東京オリンピック、7年後になりますけれども、この5年間という準備期間だけではなくて、もっと早い時期から具体的な取り組みをされることを要望いたしまして、私のこの項についての質問を終わりたいと思います。大変長くなりましたが、ありがとうございました。