議事録

平成25年6月 定例会

◆(木村正孝君) (登壇)平成25年6月議会の一般質問を通告に従って一問一答方式で行います。
始めるに当たりまして、議長の許可をいただきまして資料のほうを配付させていただいております。きょうの関連するこの資料ですね。これをあわせてご参照いただきたいと思います。
まず、一番最初に、災害に強いまちづくり。危機管理体制の強化についてお伺いをしたいと思います。
この危機管理体制の非常に重要な課題といたしまして、危機管理監の設置というものを、私はこの2年間ずっと訴え続けてまいりました。さまざまな検討や昨年の豪雨災害を経て、今年の4月から新たに危機管理室及び危機管理監が設置をされたことにつきましては、山本市長のご英断も含めて、私は大変歓迎をしております。問題は、できましたこの体制に、仏をつくった中にどう魂を入れていくのかと、これが大きな課題だと思います。
そこでお尋ねいたしますが、この危機管理監の組織上の位置づけ、あるいは役割、そのことにつきましては、これはご本人ではなくて、市の当局者、特に可能であれば市長のほうからお伺いしたいと思います。
○副議長(山崎恭一君) 土屋副市長。
◎副市長(土屋炎君) (登壇)今年度から新たに設置をいたしました危機管理監の役割についてでございますが、平常時には、国や京都府を初め防災関係機関等との密接な連携、協力体制の確保や、地域での防災対策の推進などを総括的に行うこととし、大規模災害発生時などにおきましては、本部長を補佐し、災害対策本部各班の災害対応業務について、総括的・横断的に調整するものといたしております。
また、昨年の豪雨災害の教訓を踏まえ、災害時の意思決定機関であります災害対策本部会議と、災害対応を具体的に実施いたします各班との連携を強化しますとともに、災害対応活動の基本方針の方向性等を統括・集中的に議論し、災害対策本部会議での意思決定を迅速化するため調整会議を新たに設けまして、危機管理監がその中心となって運営していくものとしているところでございます。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)それでは、少し具体的にお尋ねをしたいと思いますが、今回見直しをされた地域防災計画の資料の1の12、宇治市災害対策本部組織図というのがございます。これはきょうの資料の1枚目につけておりますが、このことについてお尋ねをしたいと思います。
この災害対策本部の組織図を見ますと、これまでになかった形のものが位置づけされております。一つは、上のほうから本部長、これは市長ですね。それから副本部長、これは副市長、教育長、水道事業管理者。その下に本部事務局長という形で危機管理監が設置をされている。それから下のほうへいきますと、調整会議という形で、危機管理監、市長公室長、建設部長、プラス必要に応じて参集する本部員と。これは今までの災害対策本部の組織にはなかったと思うんですが、この調整会議の機能についてお聞かせをください。
○副議長(山崎恭一君) 土屋副市長。
◎副市長(土屋炎君) (登壇)調整会議の機能というお尋ねでございますけども、先ほどの私の答弁で少し触れさせていただいております。これは、ご指摘のとおり今回新たに設定を設けたものでございますけども、具体的に意思決定機関であります災害対策本部、それと具体的にその決定を受けて災害対応を各班でするわけですけども、その具体化を図るその監を、総合的に、かつ迅速的に検討する、実践的に強化をしていくと、そういう機能をここで持たせております。したがいまして、ここも資料にございますように、危機管理監、市長公室長、それから建設部長、加えて必要に応じて参集する本部員ということで、柔軟に、また機動的に対応したいと、このように考えて設定をしたものでございます。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)そうしますと、このことについて、市の幾つかの分掌事務であるとか、そういうのを見させていただいたんですが、その具体的なことには触れてない。今のご答弁の内容がこのことになるわけですよね。これは実際に動いてみないことにはわからないと思うんですが、この調整会議は、先ほどおっしゃいましたように平時、平常時においても実際には機能するのかどうか。それからあと、災害時だけではなくて、平常時にも何らかの形で、日常的にこれが設置をされて動いていくということになるのではないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
○副議長(山崎恭一君) 土屋副市長。
◎副市長(土屋炎君) (登壇)調整会議は、先ほど来申し上げておりますように、いざ事が起こった場合、災害対策本部を設置いたします。そことの関係ということもありますので、当然、平時に恒常的にこの調整会議を設けるといった性格のものではないというふうにご理解いただきたいと思います。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)お考えはわかりました。ただ、そのことについては、また少し、これから実際に運用する場合に幾つかの問題が出てくると思いますので、このことについてはこのぐらいでとどめておきたいと思います。
もう一つ、この危機管理監ということにつきましては、例えば今すぐに考えられます仕事が幾つかあると思うんです。これまで危機管理監の設置については、以前の公室長の時代でしたが、日常的に配置をするだけの事務量はないんではないかというふうなことも含めて検討された経過があるんですね。ところが現実問題としては、まず、現時点においては、災害の復旧・復興の最中である。これはやはり、それの取り組み自身が今後の危機管理体制の具体的な施策をつくっていく場合のポイントになるだろうというのが一つ。
それからあと、危機管理システムを改めて、昨年のやつを総括しながらこしらえていくということが2つ目に必要ではないか。
3つ目には、地域との先ほど申した連携の問題。これも非常に、この間、昨年の災害においては、地域は非常に、自治会が災害に迅速に対応された地域と、そうでない地域の差があったというのをお聞きしております。特に地域が、地域のことを一番よく知っておられる町内会・自治会が迅速に対応されることで非常に機能的に動けた、そういうふうな実態も出ております。
さらに、これまでの訓練もあったと思いますが、昨年の現実を踏まえてみれば、当然このシステムを動かすための、構築をしたシステムを動かすための訓練、当然これも日常的にしていく必要があるだろうということを含めて、災害対応は、いざ事が起こったときだけじゃなくて、日常のレベルからシステム構築と実際の訓練というものを組み込んでいかないと機能しないのではないかと考えるんですが、そのあたりはいかがでしょうか。
○副議長(山崎恭一君) 土屋副市長。
◎副市長(土屋炎君) (登壇)議員がおっしゃってる、大筋、我々そのとおりだということがありまして、1問目の答弁の中で簡単には申し上げましたけども、平常時には、国や京都府を初め防災関係機関等との密接な連携、協力体制の確保や、地域での防災対策の推進などを総括的に行うこととし、というふうに答弁をさせていただきました。その内容は、今委員のほうから具体的におっしゃいました内容を、当然含んでるというふうに思っております。当然、これまでの災害を踏まえた、それを教訓とした地域防災計画の樹立というのもありますけども、具体的に自助・共助・公助の中で、この間、地域の中で動いていただくということが、まず初動時には大変重要だということがございました。そういったことも踏まえて共助をどうつくっていくのかということも課題でありますし、おっしゃるとおり日常的な訓練ということが大事でございますので、そういったことについても取り組んでまいるということで申し上げております。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)それでは、次の原子力発電災害対策についてお尋ねをしたいと思います。
今回の地域防災計画の京都府の見直し、あるいは国の見直しを踏まえて、原子力発電対策が盛り込まれております。それで、京都の場合は、特に舞鶴地域、あるいはその近辺の市町村が対象になっていると、30キロ圏内ということで、そのうち舞鶴の1万4,000人の人数を宇治市のほうで受け入れるといふうなことが報道されております。問題は、舞鶴市からの1万4,000人を受け入れることについての宇治市の体制、あるいは長期化した場合の対応などについて、どのようにお考えなんでしょうか。
○副議長(山崎恭一君) 澤畑危機管理監。
◎市長公室危機管理監(澤畑信広君) (登壇)原子力災害発生時における広域避難の受け入れについてでございますが、京都府において協議、決定された内容といたしまして、本市では舞鶴市からの避難者8万9,000人のうち1万4,000人を受け入れることとしており、受け入れに際しましては、宇治市民の避難者がない場合に限り、本市が指定している第1次避難所を提供することといたしております。受け入れの実施に当たりましては、避難者の放射線被爆測定の体制や測定場所、自家用車による避難の場合の駐車場確保や渋滞対策、避難所運営体制やその際の資機材の調達など、現時点におきまして未定となっている事項や長期化した場合への対応など、引き続き検討を要する課題が多くありますことから、今後、京都府が主体となって実施されます避難市町、受け入れ市町による全体協議などを通じて、具体的な検討を行っていく必要があると考えているところです。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)今のご答弁の中で、第1次避難所を提供すると、こういうことですよね。それで、一つは、これは京都市の場合は、ざっと6万人を受け入れるというふうなことも出ておりますから、京都市の場合は非常に多くの施設もありますし、そういうことは可能だろうと思うんですね。ところが宇治市が1万4,000人ということについては、かなりの受け入れの場所が必要ではないかと、これが一つですね。
それからもう一つは、実際に原子力災害が起こったということは、当然災害が起こってるわけですから、場合によったら宇治市民も避難をしていることも十分考えられるわけですよね。そういうことを含めて第1次避難所を提供するということですが、実際のキャパがあるのかどうか、それについてお尋ねをしたいと思います。
○副議長(山崎恭一君) 澤畑危機管理監。
◎市長公室危機管理監(澤畑信広君) (登壇)現在、地域防災計画におきまして、避難所の収容人数を算定させていただいておりますけれども、直接、今、数字は持ち合わせておりませんけれども、1万4,000人を受け入れることといたしましても、人数的には収容可能であるという数字でございます。以上です。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)1万4,000人のキャパの問題をちょっとお尋ねしてあれなんですが、ただ、具体的にいいますと、今、宇治市の1次避難所といいますのは、例えば小学校の体育館であるとか、幾つかの場所が指定されておりますよね。そういうことを想定されているんだとは思うんですが、現実問題として、今の市が持っている1次避難所だけでいけるのかどうか。さらに、民間の施設というふうなことも視野に入れておかないかんのかどうか。そのあたりはまだこれからの話だとは思うんですけども、実際問題、1万4,000人を受け入れるという報道を聞きますと、実際に大丈夫かなと率直に思いますよね。そのあたりについては、現在の余地避難所がどこにあって、現在では大体何人ぐらいのキャパがあるんだということを少しお聞かせ願えませんか。
○副議長(山崎恭一君) 土屋副市長。
◎副市長(土屋炎君) (登壇)具体的な数字、申しわけございません、持っておりませんけども、第1次避難所は、約で申しわけございませんけども、7万人ほど収容できる、宇治市の公共施設で7万人というキャパはございます。冒頭も答弁で申し上げましたとおり、70カ所、約8万人可能ということでございます。冒頭申し上げましたように、宇治市の避難がないという前提ということで1万4,000人を受け入れることが、キャパとしては可能だということでございますので、ご理解いただきたいと思います。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)ありがとうございました。それだけのキャパがあるんだということが具体的な形でわかりましたので、そのことについては、一応、今の段階では、十分だとは言いませんけれども、安心をしました。
それからあと、これから幾つかのことが詰められていくと思いますが、実際にそういう運営について、これは舞鶴市からおいでになるわけですよね。当然、舞鶴の担当者もおいでになる。それから、京都府が一応調整役ということですから京都府もおいでになる。それで宇治市のお受けもすると。そういうことで、実際の運営主体といいますか、運用する場合の幾つかの問題が当然出てくると思うんですよね。そういうことにつきましては、これから詰めていかれるんだと思いますが、京都府が主体となって実施をすると書いてありますが、現実の問題として、そういうことを想定して受け入れるということが決まってる以上は、できるだけ早く京都府、舞鶴市、あるいは当市で十分な協議をして、体制をつくっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
次に、地域との連携のことについて今回触れております。
実は、先ほどの土屋副市長の答弁の中でも地域との連携が非常に重要だということで、今回の災害を含めて言われておりますが、一つは、昨年の豪雨災害を踏まえて、地域における防災活動、これをやはりこれまで以上にきちんと地域のほうに話をし、市としても応援をしていくということが非常に重要ではないかというふうに考えておりますが、その場合の昨年の経験を踏まえた基本的な考え方についてお聞かせください。
○副議長(山崎恭一君) 澤畑危機管理監。
◎市長公室危機管理監(澤畑信広君) (登壇)本市では、これまでから災害時の被害を減らすためには、自助・共助・公助のバランスがとれた取り組みが非常に重要であり、特に町内会や自治会等による自主防災活動での共助や、家庭での自助の取り組みが大きな防災力になると考えており、市政だよりや職員による出前講座などのあらゆる機会を通じまして啓発に努めてきたところでございます。
昨年の豪雨災害におきましては、自主防災組織が常日ごろから活発に活動されている地域では、災害発生時にいち早く活動され、情報伝達や被害状況の把握も円滑に行われたものと認識いたしているところです。また、今般の豪雨災害における災害対応を総括する中で、今般のような広域かつ大規模な災害発生時の、とりわけ初動の活動におきましては、公助による対応には限界があるということを改めて認識したところでございますので、地域の自主防災組織等による共助活動の重要性につきまして、引き続き啓発に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)そしたら、このことにつきまして、もう一点お尋ねをしたいと思います。地域防災計画の見直しをされて、今、その進行中ですが、これまで市のほうでは、災害対策マニュアルというんですか、地域の自主防災組織を立ち上げるということと同時に、マニュアルの作成を具体的に要請されてきたと思うんですね。これまでそういう取り組みがかなり進んでいるところと、そうでないところがあるというふうにお聞きをしておりますけれども、ひとつマニュアルでもいいんですが、やはり地域のことを一番よくご存じなのは地域だと。
実は最近、同志社大学が市民を対象にした防災を含めた講座を10回やる中で、最近は人任せにしている結果として地域の防災力が落ちてるというお話があったんですね。要するに、これまでは、それほど行政を当てにするんじゃなくて、自分たちで自分たちの地域を守っていく、運営していくというのが多かったですから、例えば堤防にしても、そういう地域の堤防は非常に分厚いと。いろんな、例えばあふれるということが、地域の人はご存じですから。天井川にしても。そしたら、その場合には、ここには家を建てんとこなというふうなことで、やはり地域の人々が地域のことをよくわかってるがゆえに、そういうことを実際にやってこられたという経過があったと、歴史があったと。
ただ、最近はそういうのがなくなって、言えば行政にお任せをしてる、あるいは、行政のほうが一生懸命やるのは当然なんですけども、もう一つ今日の現状を踏まえて言うならば、地域の住民自身がもっと自主的にそういうシステムを構築していくことが必要ではないかと。その場合のシステムを構築するに当たって、過去と違って現在は非常に地域のコミュニティーも薄れておりますから、そこに行政としての一つの対策といいますか、支援といいますか、そういうふうなものが必要だと。そういう意味では、防災につきましても、山本市長が今回言っておられる行政と市民とのコラボレーションというのは、非常に重要な形になってくるだろうと思うんですね。そのことは、もう既にこの間の一般質問でも言っておられます。
そういうことであるならば、具体的なテーマとして、地域ごとの地域防災計画のようなものをつくっていくことはできないのかどうか。実は、最近は民間会社でも、こういう防災マニュアルのようなものをインターネットで流してるんですね。これは職場における災害対策マニュアルなんですが、地域版もあるんですが、非常に端的でわかりやすいんです。これは皮肉で言うわけじゃないんですけど、市が今見直しをされてる地域防災計画というのは膨大な量がありますよね。そういうものは、もちろん市の場合必要だと思いますが、地域においては最低限のことだけをきちっとやはりやっていくようなものが、これは、名称はあえてこだわりませんけども、そういうものをつくっていく必要があるんではないかというふうに思うんですが、そのあたりについてのご見解はいかがでしょうか。
○副議長(山崎恭一君) 澤畑危機管理監。
◎市長公室危機管理監(澤畑信広君) (登壇)本市では、これまでから自分の身は自分で守る、いわゆる自助の心構えとあわせまして、自分たちの地域は自分たちで守るという共助の重要性につきまして呼びかけを行っているところです。共助の取り組みといたしましては、自治会・町内会ごとに自主防災組織の結成や自主防災マニュアルを策定いただき、地域の実情に応じた災害の予防や情報伝達が迅速かつ確実に行えるような連絡網の構築、災害時の避難などの初動対応等について、あらかじめ決めておいていただくよう働きかけを行っております。とりわけ、自主防災マニュアルの策定に当たりましては、必要に応じて職員による出前講座などに取り組んでおりますほか、本市ハザードマップ等をご活用いただくことといたしており、策定後につきましては、防災訓練などを通じ、実際に体験する中でマニュアルを検証していただくことが最も重要であると考えておりますことから、引き続きそれらの啓発に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)最後になりますが、特別警報対応について少し述べておきたいと思います。
実は、この特別警報という、改正気象業務法というのが、この24日に参議院本会議で可決・成立をしております。この特別警報というのは8月末にも運用が始まるということなんですよね。記録的な豪雨とか重大な災害が起こるおそれが非常に強い場合に、それを特別警報と呼ぶと。今までのやつよりもさらに一段上やというふうなことなんですね。これをやりますと、非常に基準も厳しいんですが、同時に、その警報が出された場合、特にその警報の例としましては、数十年に一度の現象が起きると予想されるような災害ということで、昨年の3.11はもちろんですが、九州の北部豪雨、あるいはおととしの9月にあった紀伊半島を襲った台風12号の災害、そういうふうなことが一応想定されてるみたいなんですね。公布から3カ月以内ですから8月末にも運用されるんですが、これについては市民に周知を図る必要があるということが明確に書かれております。
そういう意味では、気象庁が発するんですが、それを受けて各都道府県なり各市町村が、それぞれの住民にそのことをやっていかなあかんわけですから、そういう意味では余り時間がないと思うんです。8月末から運用だということですから、システム構築の一環としても取り組んでいただきたいということを述べておきたいと思います。
2つ目に、観光振興計画と宇治茶の未来ということで、観光振興計画と宇治茶の位置づけについて質問をしたいと思います。
宇治と言えば宇治茶と言われるくらいに宇治茶の名前は全国でも有名でありますが、今般策定された宇治市観光振興計画において、宇治茶がどのように位置づけされているのかお聞かせください。
○副議長(山崎恭一君) 松田市民環境部長。
◎市民環境部長(松田敏幸君) (登壇)平成23年度に実施いたしました宇治市観光動向調査によりますと、宇治と言えば宇治茶や宇治茶を使った特産品を思い浮かべるという方が9割以上を占め、平等院など世界遺産よりも高い認知度があることがわかりました。しかしながら、宇治への観光客の中で、宇治茶を主な観光目的にされている方が15%と、社寺仏閣を目的とされている78%と比べますと圧倒的に低くなっておりまして、この認知度と観光目的のギャップを埋めることが今後の観光振興を図るための鍵になるのではないかと、宇治市観光振興計画策定委員会等からもご意見を多数いただいたところでございます。
このため、宇治市観光振興計画では、計画のコンセプトを「宇治茶に染める観光まちづくり--みんなで淹れるおもてなしの一服」と設定し、宇治茶の観光への活用を柱とするとともに、市民全体でおもてなしの心を持った観光まちづくりを進めてまいりたいと考えております。計画における観光戦略を具体化したアクションプランでは、JR宇治駅におけるお茶の香りの演出や、宇治茶の歴史文化を伝える施設の整備、また宇治茶の世界遺産登録に向けた取り組みや、宇治茶を使ったスイーツの活用などを掲げておりまして、これらアクションプランの実現に向け、茶業関係者を初め、京都府や関係機関等とも調整してまいりたいと考えております。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)宇治茶を観光の大きな柱に位置づけていこうということについては、とてもいいことだというふうに思います。問題はそれをどのように進めていくのかということで、非常に具体性が問われると思うんですが、一つは、「宇治茶の魅力、世界へ発信プラン」という、京都府が宇治茶の世界ブランド化を推進するというアクションプランをこしらえていますね。これとの関連について少しお尋ねをしたいと思うんですね。
このことを聞きますのは、一つは、今お答えになった宇治茶の世界遺産登録に向けた取り組みとあわせてというお話がございましたよね。それで、この世界遺産登録に向けた取り組みというのは、京都府の、まさにこの「宇治茶の魅力、世界へ発信プラン」という、これが24年、25年、26年の3カ年のアクションプランとして取り上げられて進められているわけですよね。その中の一環にあるんですけども、一つは、この計画と今回の観光振興計画が、かなりそのあたりのことを意識されてつくられたんだと思うんですけど、そのあたりの京都府のこのプランと宇治市との連動性というんですか、当然宇治市もそのことと関連をして取り組まれるのではないかと思いますが、そのあたりについてのお考えをお聞かせください。
○副議長(山崎恭一君) 松田市民環境部長。
◎市民環境部長(松田敏幸君) (登壇)京都府において取り組まれます「宇治茶の魅力、世界に発信プラン」につきましては、その中心が世界遺産登録を目指すということをキーコンセプトにされているものと理解をいたしておりますが、京都府において取り組まれるということになりますと、いわゆる宇治茶の定義でいう中でも、京都府内の各市町村も含めた、いわゆる宇治茶の里という単位で事を考えていくということになってまいります。
一方で、我々の策定いたしました宇治市観光振興計画は、その中でも宇治市において生産をされたり、また販売をされたりということをキーコンセプトに考えているというところで、少し対象のエリアが違うということはございますが、それぞれに取り組みますアクションプランの中で、関連する事業がございますものにつきましては、個別に京都府と調整を図っているところでございます。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)それで、もう一点このことについて、確かにエリアが、宇治茶というのは、もう既に商標登録がされて、今部長がおっしゃいましたように、京都府だけではなくて、奈良県、滋賀県、三重県の産地、それを京都府内の業者が加工してつくったお茶という定義がされておりますよね。そういう意味ではそうだと思うんですが、この世界遺産登録に向けた取り組みとあわせてという場合に、この場合の世界遺産登録には、一体何を登録されるんですかね、これは。世界遺産登録って、いろんなとこではやってますけど、正直言いまして、これ、まだ十分--その検討がどこまでできるか僕知らないんですよ。知らないんですけど、世界遺産登録するというのは非常に夢のあることだと思うんですけど、例えば茶畑を前提にしてはんのかね。例えば本ずという宇治しかないものをやっぱり重点的にやろうとか、それから白川の、あの一帯のお茶のあれを一つの景観ということの中で位置づけてやろうとするのか、そのあたりはどうなんでしょうね。ちょっとそのあたりの、もしお考えがあればお聞かせください。
○副議長(山崎恭一君) 木下都市整備部長。
◎都市整備部長(木下健太郎君) (登壇)世界遺産登録、一つの文化財というカテゴリーでもございますので、私のほうから少しお答えさせていただきます。
宇治茶の世界遺産、一言で言いましても、宇治茶の何を言うかと。いろんな形が考えられると思います。例えば無形としての宇治茶もありますし、それから宇治茶にかかわります茶問屋街の景観、あるいは茶畑、茶室、宇治茶に係るいろんな社寺仏閣等の文化財、いろんなものが可能性としてはあるかと思います。そういったものについて、現在、京都府のほうで検討委員会を設けられまして、宇治茶文化のいわゆる文化遺産登録に向けました検討が現在進められております。この中で構成資産の絞り込み等が現在議論されておりますので、今後、どういったものかというのが、具体像がもう少ししますと見えてくるのかなというふうに考えております。いずれにいたしましても、現在、京都府のほうで進められておりますのは、無形ではなくて有形資産、いわゆる文化遺産という形で検討が進められているというふうにお伺いをしているところでございます。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)そういう文化遺産として登録をするというのは、世界に発信をして、世界中の方々に知られるわけですから、これは宇治市にとっても非常に夢のあるいいことだと思うんですね。そういう意味では、府の中で検討委員会が今あるというお話でしたけども、やはりそのことについては、先ほど担当部長のほうから個々には連携をしていくというお話がありましたように、この世界遺産登録の中身についても、ぜひ府の担当のほうとちゃんとした連携をとられて、宇治にとって、ぜひここを入れてみたいというふうなところを強力に進めていただくというふうなことが、とってもいいことだと思うんですよね。だから京都府の検討委員会に任すんじゃなくて、一番のこの発祥の地であります宇治ですね、ここのところをできるだけ売り込んでいただくというんですか、ぜひそういうことの取り組みをお願いしたいなというふうに思います。
次に、今、もう一つのことでスイーツのことについてお話がありました。特に最近は、宇治茶ということについては非常にご存じの方が多いけれども、実際に来られるのはスイーツが目的で来られるのは少ないと、こういうことがありました。来られるかどうかということもありますが、後ほど、お茶の生産の現実については、また角度を変えて質問をしたいと思いますけども、最近、世界的に有名なスイーツの達人が、抹茶を使ったフランスのお菓子をこしらえられて、それが世界的に有名になってると、こういうことなんですね。このテレビを見て非常に僕は残念だったのは、その方が2年をかけてそのスイーツをつくるための抹茶を全国を歩かれて探された。その結果が実は宇治市ではなかったということなんです。愛知県の安城市なんですね。そこのお茶の、煎茶の生産農家と契約をされて、それが一つの抹茶としてスイーツに使われてると。これは、いろんな意味ももちろんあるんですよ。お菓子ですから甘みの問題とかあると思うんですけども、そういうふうなことが、やっぱり世界に発信する場合にはとっても生きてくると思うんですよね。
宇治のスイーツについても、随分いろんな工夫をされて新しいものも開発されておりますけれども、そういうふうな形で世に出るときには、世界的に有名なお菓子づくりの職人さんがつくったものだということで、そのときにはどこのお茶を使ったんだというのが非常に大きなポイントにもなりますから、そういう意味でショックを受けたんですけれども、そういうようなことも意識をしながらこのスイーツを考えていくということについては、ぜひご検討いただきたいなということを申し上げておきたいと思います。
次に、これは宇治茶の生産量と売上金額の過去・現在・未来という形で項目を起こしております。この現状の宇治茶の生産の問題につきましては、午前中に坂本議員さんのほうもご質問ありましたので、あえてダブらない形でしていきたいと思うんですが、特に宇治茶の生産量、あるいは売上金額と、そういうことについて、宇治茶の振興のこれからについて、どういうふうな方針のもとで取り組みを進めていこうとされているのか、このことについてお尋ねしたいと思うんです。
現実問題として、今、これ、私は資料を手元にお配りをいたしました。宇治茶の茶園面積、生産量、生産金額の推移という、これですね。これを見ていただきますと、一番最初の茶園面積、一番下にある面積、これを見ると、平成3年、13年、23年でいきますと、13年と23年の間は微減なんですが、平成3年から見ますと、ぐっと落ち込んでるわけですね。これは茶園の面積ですし、それから生産量の推移、これもこの20年間で見ますと、生産量としましては、平成3年から23年についてはやはり落ちてます。13年、10年前と比べると上がってはいるんですけど、この20年間で見ますとやはり減ってると。特にその中で抹茶の原料である碾茶が減って、玉露や煎茶は上がってると。これは対10年前と比べてですよ。ただ、20年で比べると下がってるんですよね。生産金額、これも府の一覧表に出ている数字、これはもともと宇治市がつくられて出されてるらしいんですが、これにつきましても10億6,600万あった平成3年の生産金額が、現在、23年度では6億4,300万、ざっと6割になってる。この10年間だけで見れば、この玉露は少し上がってますし、煎茶も少し上がってはいるんですが、碾茶はずっと下がりっ放しなんですよね。そういうふうな現状があるというのが、このデータからは読み取ることができます。そういう意味では、この20年間という現実を踏まえた上で、これから宇治茶の振興についてどのように取り組んでいかれようとしてるのか、それについてお聞かせください。
○副議長(山崎恭一君) 松田市民環境部長。
◎市民環境部長(松田敏幸君) (登壇)ご指摘のとおり、本市の茶園面積、また荒茶生産量につきましては、平成3年に比べますと減少いたしておりますし、特に経営戸数につきましても、現在は115戸のところ平成3年は135戸でございまして、こちらのほうも減少しているというのが現状でございます。さきの坂本議員のご質問にもお答えをいたしたところでございますけれども、生産面の対策ということで、生産省力化であったり、改植、新植というのも進めてまいっておりますが、さらに手摘み茶の推進、それから品評会の出品奨励など、質の向上という観点でも支援のほうを努めさせていただいたところでございます。
いずれにいたしましても、宇治茶は、先ほど申し上げましたように、宇治市を代表する産物というだけではなくて、伝統的な栽培方法や製法によりまして世界に誇れる文化であるということを認識しておりますから、今申し上げました生産力向上、品質向上に加えまして、伝統技術を継承する支援でありましたり、先ほど来議論いただいております世界遺産登録を目指す動きであったり、こういった宇治茶の名声といった観点からの支援策も今後とも進めてまいりたいと考えているところでございます。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)実は、きょうこの質問をするに当たって、何軒かのお茶屋さんとも少し話をさせてもらったんですけど、一つは、この質問をするに当たって、担当の方ともお話をさせていただきましたが、非常に生産のお茶屋さんというのは危機感を持っておられるんですよね。このままではなかなか、後継者を含めて全体的に大きくなっていかないという不安なりを持っておられますし、昨年ありましたシンポジウムの中でも、文教大学の先生が、今のお茶屋さんは、このお茶だけでは十分に経済的に賄えていないと、副業とセットでやってるんだというふうな警鐘も鳴らされましたよね。そういう意味では、この20年間で--この10年間では取り組みがされた結果として横ばいであったり、部分的に上がったりしておるわけですけども、全体的にはやっぱり下がってきている。この現状をどうやって変えていくんやということが、一番今考えなあかんテーマではないかと思うんですよ。そういうことをきちんと考えていくための手だてということが必要ではないかと思うんですよね。
それで、今おっしゃった生産力の対策であるとか、茶園の改植とか新植とか、そういうことですが、市が今までやっておられる具体的な施策については資料をいただきました。例えば今やっておられるお茶の品評会へ出品された場合の奨励費ですね。例えば農林大臣賞の関係であったら20万円とか、そういう報奨金。それから出品するに当たっての応援費ですよね。あるいは、高品質のお茶を推進する事業の補助金、こういうのもいただいています。ところが、よくよく調べてみますと、市が独自にやってるというか、その応援をしてるというこのメニューは、京都府のデータを見ますと、もう府内の市町村全部でやられてるメニューなんですよね。そういうことがわかるんですよね。それも結構前からされてる。これ、宇治の場合も46年ぐらいからされてるとお聞きをしてるんですけどね。そういう意味で、宇治の今の中で、宇治独自の制度というのは、この中でどれに当たるんでしょうかね。ちょっと教えていただけますか。
○副議長(山崎恭一君) 松田市民環境部長。
◎市民環境部長(松田敏幸君) (登壇)宇治市で取り組んでおります独自の茶業支援の制度というお尋ねでございますけれども、その前に生産家の方々の危機感というところで前段お話もございました。これにつきましては我々も常に生産家の方と意見交換をいたしておりまして、そのお話をよくお聞きしているところでございます。私ども行政といたしましても、宇治茶の将来について危機感を持つ、こういった立場にあるものというふうに考えております。現在の経営状況でありますとか、それから日々の業務に当たっておられることなども、担当者も日々お話を聞く中で、一緒にこれからどうすればいいのかということを考えてきているというのが現状でございます。
その中で、先ほどご答弁申し上げましたけれども、市内産の抹茶の原料でございます碾茶、これにつきましては、碾茶の定義が大きく変わります中で、宇治市でつくっております碾茶が非常に超高級なものになるということで、販売の面でご心配をなさってる部分もございます。また、玉露につきましても単価が高いということがございまして、これらを何とかブランド化をすることによって、今後の販売をしていくことができないのだろうかということにつきまして、特に茶生産組合の青年部の方々と、どういった広報ができるのかということも現在取り組んでいるところでございます。
お尋ねの独自の制度ということになりますと、やはり宇治でいいますと、伝統的な本ず栽培というのが宇治のお茶の特徴でございます。つい最近もテレビで特集等ありましたが、大きな景色で映る場合は、覆いのない、私はあえて茶畑と呼ばせていただきますけども、その景色がつい映ります。しかし、宇治の場合は必ず覆いのある茶園というものでございます。これを維持していくために、我々が先行して頑張って、後から京都府なり国なりの制度もついてくるということもあろうかと思いますけれども、現時点におきましては、今からは一昨年度ということになりますけれども、本ずについての制度を設けたことが大きなものではないかというふうに考えております。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)いただいてる資料の中で、幾つかのものの中で、特に本ずという宇治にしかないものに対する補助金を新たにこしらえたんだと、こういうことですよね。問題は、その危機感については、生産の方と市の行政とが共有をしてるんだということもよくわかりました。それは非常に重要な観点だと思うんですね。
次の、ちょっと資料を見ながらお尋ねをしたいと思うんですが、これの資料の24年度茶生産実績の府県別順位、これをつけております。これは何かといいますと、私なんかは井の中の蛙で、宇治という限りですから、宇治茶というのはもう日本一なんだろうなというふうに簡単に思っておりました。静岡がお茶の量が非常に生産が多いというふうに思っていたんですが、国が、農林水産省が調べたこれでいきますと、栽培面積でいいますと全国で4万5,900ヘクタールということで、1位はやっぱり静岡なんですよね。これで栽培の面積も荒茶の生産量も、ここに書いてある数字なんですよね。煎茶についてもそうだと。この覆い茶というのは、下に書いてますように、かぶせだとか、玉露やとか、碾茶の合計。これは三重が入ってるのは、要するに宇治茶の定義に入ってる三重県が一つここに食い込んでるんですけども、この表を見てもらいますと、栽培面積でいきますと京都は4番目なんですよね。荒茶の生産量で言うたら5番目なんですよ。煎茶で言うと6番目。この覆い茶という、まさに碾茶とか玉露とか、これでやっと2位に入ってるということで、日本全国のお茶の生産の面積とか、それから量だとか、そういうことからいきますと随分差があるんです。この中には鹿児島というのも入ってますし、宇治田原のお茶屋さんなんかは、鹿児島、九州のお茶を買ってきてブレンドされるというお話も聞いてます。それぐらいにこれ、お茶の生産実績で見ると、圧倒的にシェアが違うんですよね。これでいきますと、もう単位が違いますよ。栽培面積の1万8,500に対して、京都は全体で1,580なんですよね。そういう意味でいうと、日本全国のお茶の生産実績ということからいきますと、この10件を見ただけでも随分、京都は中位ぐらいだと。ランク的には中位ですけど、規模の量からいきますと、それこそ4万5,900に対して1,580ですし、煎茶の荒茶の生産量でいきますと8万5,900に対して3,170だと。これぐらいの差が実はあるということなんですよ。
もう一つ、次のやつを見ますと、これは府のデータなんですけど、府内の市町村別順位、これを見ていただきたいんですが、これですと1位は和束なんですよね。京都府の栽培面積1,626.2ヘクタールのうちの約3分の1強を和束町がやってるんですよね。これでいきますと荒茶の生産量もそうですし煎茶もそうだと。煎茶も圧倒的に和束の量が多いんですよね。一番宇治茶として力を入れてるこの碾茶についても、生産のトン数からいきますと5位で42.5トンなんですよ。和束はその10倍なんですよね。まさにこれが今の現実、現状じゃないんでしょうか。
ですから、宇治茶を振興するということを言うときに、そういう現状を踏まえて20年間見たらぐっと下がってきてるということを含めて、この現状から出発して、どういうふうにしてそれをふやしていくんだということを考えないと、宇治茶の振興は難しいと思うんですよ。そういう意味で、こういうことを踏まえた宇治茶の振興に対するもっと具体的な計画を、アクションプランというんですか、そういうものをこしらえていく時期ではないのかと。特に観光計画でも宇治茶を中心に置こうと、こう言ってるわけですし、そういうことを含めて、宇治茶を振興するための具体的な計画づくりというか、プランニングを検討いただけないかということをお尋ねしたいと思います。
○副議長(山崎恭一君) 山本市長。
◎市長(山本正君) (登壇)木村議員から、いろいろな角度から提言、あるいはご意見を承りました。傾聴に値するものについては今後の検討課題にしたいと思いますが、私が宇治茶の危機感と申し上げてますのは、静岡の静岡茶、鹿児島の茶という生産量の量というものを基準にはいたしておりません。私は、府会議員時代から静岡も見てまいりましたし、宇治茶は玉露、碾茶、高級ということを中心に品質というものの1位を争う、そういうものであると思っています。ただ、和束茶、和束というこの近所のことについては、宇治ということでございます。世界遺産に登録するというときに、宇治茶が和束であろうと、宇治であろうと、世界遺産登録には市町村の壁を越えて、しっかり宇治茶の振興を果たしていかなければならないという思いでございます。
危機感という問題につきましては、茶園面積、あるいは後継者、こういうものについては非常に危機感を持ち合わせております。世界遺産の登録になった場合に、じゃあ宇治市で後継者が、生産量が、茶園がと問われるというときに、見に来たら和束まで見に行かなきゃならないという思いは我々として危機感として共有し、今後の取り組みに進めてまいりたいという思いでございます。
ただ、宇治茶というのは、他の地域と違って、特に宇治市は有名な社寺、平等院、宇治上神社、きれいな景観を持つ宇治川、あるいは黄檗山、いろんな形で観光振興・文化・歴史、このことと宇治茶というものが、世界遺産登録、世界に発信するときには非常に優位であるという思いで、宇治茶の振興と観光振興をあわせて、おもてなしの心でしっかり宇治茶を振興していくことと、観光振興というのは宇治市の基盤にしなければならないという思いであることは言うまでもございません。その意味においてご答弁を申し上げたいと思います。
通告にいただいたとおりご質問いただければ、非常に答弁がやりやすいんですが、少し通告から離れることもあられますので、合わない答弁になるかわかりませんが、ひとつここの点は通告どおりご質問していただければ、きっちりご答弁をしたいと思います。
宇治茶の振興につきましては、さきにお答えいたしましたように、茶園の新植や改植など生産面の支援に加え、日本を代表する宇治茶のブランド力の強化を図るため、茶品評会出品奨励など品質面での支援に加え、消費拡大のためのPRや後継者育成支援などに取り組んでまいりました。しかしながら、近年は生産面積や荒茶出荷量、経営コストが横ばいで推移いたしているものの、宇治茶の将来を考えますときに、市内産でない宇治抹茶と冠したスイーツが大きな広がりを見せるなど、危機感を持たざるを得ないと考えております。先ほど木村議員がおっしゃったことと同じことだと思います。
また、本年度は、4月の低温から生産量が減少しているとお聞きをしているところでもございます。そのため、今後におきましては、生産面での支援を、生産者との十分な連携や協議により企画してまいることや、高品質であることをさらに高める施策を強力に取り組んでまいらねばならないと認識いたしてるところでございます。
さらには、これら実質的な対策に加え、市民の皆さんに宇治茶に常日ごろから親しんでいただき、そして宇治茶を誇りに思っていただくことも重要であると考えております。そのため、観光振興計画のコンセプトに宇治茶を掲げ、市民の皆様におもてなしの意識を高めていただきながら、市民の皆さんから宇治茶のよさをアピールしていただけるようにしていくため、宇治茶に関する情報発信を強化してまいりたいと考えておりますし、本年11月に開催されます全国お茶まつりなどを通じまして、宇治茶に親しむ機会を多く持てるように取り組みを進めてまいりたいと考えております。
加えて、現在、高級茶の代名詞である宇治茶の中でも最高級と認識しております宇治市内産の碾茶や玉露などのイメージをさらに高めていくため、市内産の茶のブランド化について宇治市茶生産組合と鋭意協議を重ねており、今後も宇治茶の生産に希望を持って取り組んでいただける環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
また、先ほど宇治市独自と、こういうお話もございました。独自の施策も限られた財源でやっていかなければなりませんが、私は京都府とか宇治市とか垣根を越えて、京都府の農政の責任もお茶のものには十分あると。したがって、府と市が連携をし、この垣根を越えて茶生産、そして世界に述べる世界遺産に登録する、そういう宇治茶をしっかり自信を持って、危機感を持って対応してまいりたいということを申し上げて、お答えにしたいと思います。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)ちょっと時間の関係で前へ進み過ぎたところもありましたが、そのことについてはお許しを願いたいと思います。
もう一度言いますけれども、宇治茶が非常に高級で希少価値なんだということはよくわかります。問題は、それだけでは生産高、あるいは金額に反映するまでに至っていない現状があると。やっぱりそこのところを考えていかないと、宇治茶だけでは食べていけないという、あるいは後継者も育たないという、この現実をどう打開するのかというところが大きな一つの問題意識なんですね。先ほども言いましたように、確かに市長がおっしゃるように量だけではないと。だけどよくよく見たら、量だけではなくて、質においても決して、宇治がずっとトップだというふうにはなっていない現実があるじゃないかと。そこのところを意識して政策をすべきではないかということなんですよ。
もう一つ、そのことに関係して、データをもらってますのでお尋ねをしますけども、例えば平成3年と13年と23年の市の総額予算の中で、このお茶の振興に対して割り当てられる資金額というのは一体どんだけなんだということなんですよね。そしたら、平成3年度については、先ほど坂本議員さんもおっしゃいましたけども、茶の振興費は全体の農林水産事業費のうちの5.9%なんですよ。全体予算は411億の時代ですけど、農林水産費では3億2,000万なんですね。その中のお茶の振興に充ててるやつは5.9なんです。13年には農林水産の事業費としては3億3,000万、若干上がってるんですけど、お茶も上がってるんですけど6.55なんですよね。さらに、この23年でいきますと7.7ということで、比率としては上がってるんですけど、まだまだ今の現状を回復するには、予算的にもまだ不十分ではないのかなというふうに思うんです。そのあたりを、全体予算からいきますと、宇治市の歳出は膨れ上がってますから、平成3年では0.0456、0.04%、それが13年には0.0423に下がるんですよ。もう23年度やったら0.03%しかないんですよ。全体予算が大きくなる割には、お茶の振興に対する予算は組まれていないという事実もあるんですよね。
そういう意味では、やはり行政の施策は、片方で政策プラス予算が関係すると思いますから、そのあたりも含めて、今後、そういうふうなことを取り組んでいっていただきたいというふうに思うんですが、そのあたりはいかがでしょうか。
○副議長(山崎恭一君) 松田市民環境部長。
◎市民環境部長(松田敏幸君) (登壇)議員ご指摘のとおり、お茶の振興に係ります予算と申しますのが、平成23年度では農林水産業費の7.7%。しかしながら予算総額、歳出全体の0.03%となっているところでございます。先ほど、ほかの方のご質問にもお答え申し上げましたけれども、なかなか予算の額、比率だけで、そのよしあしというのは、判断というのは非常に難しいかとは思いますけれども、先ほど来申しておりますように、本市を代表します宇治茶の振興を図ってまいりますためには、生産家の方ともども常に危機感を持ちながら十分連携と協議を重ねまして、新たな展開が必要と考えられる場合には適時に対応してまいることが重要であるというふうに考えております。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)もう時間もきておりますので、このお茶のことについては最後に要望しときたいと思いますが、もうまさに今言いましたように、非常に危機的な状況にあることをどう打開するんかということを、政策的にも、あるいは後継者の育成という問題についても、あるいは予算的にも、ぜひやっていただきたい。そのための具体的な振興プラン、アクションプランをこしらえてやるべき時期ではないかということをぜひお願いをしておきたいと思います。
3番目のマイナンバー法ですが、これについては先ほど関谷議員さんの質問にかなりお答えが出てましたので、私のほうからは1点だけ、お尋ねしたいと思います。
もう既にこのマイナンバー法につきましては、端的に言えば、市民レベルでは、個人情報だということでなかなか情報公開はされないけれども、上のほうでは、皆つないだものを一元的に管理することができる。あるいは一面では国民全体を監視するシステムだというふうな指摘もされておりますよね。その意味では非常に、普通の面から言えば気色の悪いシステムが構築されるんだなあというふうに思うんですが、ただ、住民基本台帳を導入したときもそうでしたけども、実際の利便性ということで言えば、市においても余り、それほど変わったという実感ないと思うんですよね。
一つは、全国でまだまだ少ないですけど、あの住民基本台帳のカードで、言うたら住民票とか、個人的な書類は全部コンビニから取れると、こういうことが全国的には起こっています。こういうような形が実際にあれば、ああ、なるほど、利便性が上がったなというふうなことはあるんですけど、宇治市の場合はまだそこまでできてない。当然お金の問題もあると思うんですけど、そのあたりについてどういうふうにお考えなのかが1点。
それからもう一点は、個人情報の漏えい対策としては、これは今のシステムの見直しも含めてやっていかないと、このシステム構築は難しいんではないかと言われてるんですよね。そういう意味では、このことを取り組むに当たっては、市の組織なり体制なり担当課なり含めて、いろんな見直しの必要が出てくるんではないかという点が1点と、全体的には膨大なお金がかかると言われてますから、それに対する市の財政負担ということも十分考えながら、このことについての取り組みは必要ではないかというふうに考えています。そういう意味で、利便性の問題と、経費の問題と、漏えい対策についての、基本的な考え方だけお聞かせください。それで終わりたいと思います。
○副議長(山崎恭一君) 中村総務部長。
◎総務部長(中村俊二君) (登壇)まず、今ご質問の1点目ですけれども、コンビニにおいての住民票等のことについてどうなんだという話でございます。
まず、マイナンバー制度の導入に伴いまして、申請に際しては、今後ですけれども、住民票、所得証明等の添付が不要になるということが多くあるかなというふうに思います。また一方、コンビニにおいて住民票や所得証明を交付するといったことにつきましては、先ほどから議員ご心配なセキュリティの問題、それからまた費用対効果の問題もございます。これについては大変慎重な検討を要するのではないかなあというふうに思っております。
それと、2つ目の財政的な負担という話でございますけれども、まだまだ国のほうから詳しい内容がおりてきておりません。市としてそれをやっぱり吟味するということが必要なんですけれど、まだ吟味できる内容が来ておりませんので、まだまだこれから財政的なことについては検討を要していくのかなあというふうに思っております。
それと、今後の体制でございますけれども、現在、申請時に、いろんな申請ございますけれども、その申請時に住民票や所得証明書などの証明書を添付していただくということがよくございます。ただ、今後、マイナンバー制度が導入されますと、本人確認とか所得額のデータなどにつきましては機械上でできるということにつながってまいります。そういうことで、やはり事務の体制についても今後見直しが必要になってくるだろうというふうに思いますけれども、これにつきましてもまだまだ、国からの詳しい内容がおりてきてないということになっておりますので、今後のことなのかなというふうに考えております。
○副議長(山崎恭一君) 木村正孝議員。
◆(木村正孝君) (登壇)以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。