議事録

平成24年3月予算特別委員会 (第9回)

◆木村正孝委員

地域防災計画の改定について1点目に質問いたします。

地域防災計画の改定に当たりまして組織体制強化ということにつきまして質問をしたいと思います。

まず、今回の大震災に際しまして、岩手県遠野市では、内陸と沿岸の中間地点にあること、地質が花崗岩で地震に強いという特性を生かして、地震や津波災害における後方支援拠点として全国からの物資やボランティアの受け入れ、県立病院への被害者の受け入れなど重要な役割を果たし続けております。これは平成19年度に策定した、また訓練を重ねられた三陸地域地震災害後方支援構想ということに基づくものです。本市においても地域防災計画を改定に向けて、市の特性を踏まえた計画策定が重要だと考えます。新たな設備やシステム構築においても想定外のことが起こった場合の対処も含め、危機管理体制の強化が重要だと考えます。さらに、新たに締結をしました3都市との災害連携協定を具体化するに当たっても、本市として何ができるかなど支援のあり方に工夫が求められていると思います。つきましては、これらのことを進めるために、その道の専門家である京大の防災研究所など研究者や専門家の力をお借りする、このような観点から、そのような専門家を防災監として配置をするという考え方が必要ではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。たとえ非常勤であったとしてもこのような市内にある知的インフラを活用することが組織の体制強化に大きな力を発揮すると思いますが、いかがでしょうか、お尋ねします。

○関谷智子委員長

梅垣公室長。

◎梅垣誠市長公室長

本市地域防災計画に対する京都大学防災研究所の点検結果を受けまして本市災害対策本部事務局の強化を図るなど、来年度に本部体制についても検討することとしております。地域防災計画の見直しの中で防災監の設置の必要性につきましても検討してまいりたいと考えます。

○関谷智子委員長

木村委員。

◆木村正孝委員

ありがとうございました。ぜひこの防災監につきましては頑張ってご検討いただきたいと思います。これから特に災害対策におきましては京大の元学長も言っておられますが、地域における市民の災害に対する理解の問題と行政の対応が非常に重要になってくる、そういうときに防災監という専門的な知識を持っておられる方を連携することは非常に有用であると思いますので、ぜひ頑張ってご検討いただきたい、そのことをお願いしておきます。

2問目に移ります。水道施設の耐震化についてお尋ねいたします。

これまでの水道部の説明や国、厚生労働省の公表値では、基幹管路の耐震適合率は18.6%、そのうち耐震管の割合は、わずか3.9%です。また、浄水施設の耐震化率は0、配水池の耐震化率は6.7%と全国や府内の状況と比べても大変おくれていると言わざるを得ません。これまでの計画を早急に見直し、それぞれの耐震化率を高める努力が求められると考えますが、いかがでしょうか。

2点目に公表されております水道施設耐震化計画では、10年間で40億円、そのうち水道施設については宇治浄水場だけを行うというものです。しかし、これでは災害時備蓄飲料水は5つの浄水場で5,000トンを確保するという水道部の飲料水備蓄計画とそごを来しています。宇治浄水場だけに集中する1点豪華主義ではなく、他の4浄水場についても同時並行的に耐震化を進めることでリスクの地域分散が図られ、全市的な対応力が向上すると考えますがいかがでしょうか。

3点目に奥広野、神明、開浄水場は水質がよいため、宇治浄水場や西小倉浄水場で必要となる急速ろ過設備などはありません。このため、耐震化に係る経費や時間が少なく済み、早期に対策できることは明らかです。また、防災力の向上としては、ディーゼル発電機、揚水ポンプの稼働用ですが、そのような発電機と給水栓を備えれば直ちに地下水給水が可能で、飲料水、生活用水の確保が可能となり災害時に対応できるのです。水があればそれを煮沸したり含めて生活用水が同時に飲料水にもなることは阪神・淡路大震災の経験でも明らかです。水の確保、水源の確保が何よりも重要です。優先的に行う必要性が高いと考えますが、いかがでしょうか。

○関谷智子委員長

杉村部長。

◎杉村亮一水道部長

まず、本市水道部がつくりました耐震化計画でございますけれども、今回、東日本大震災を受けまして市においても防災計画を見直すということになっておりますので、今後、国、府及び市の防災対策の見直しの状況によりまして水道管路の耐震化につきましても検討してまいりたいというふうに考えておりますけれども、まず、現在の計画実現に努めてまいりたいというふうに考えております。

次に、浄水場の耐震化につきましてお答えを申し上げます。さきの一般質問でもお答えしましたとおり、耐震化につきましては多大な経費と期間を要することから、まずは自己水源の約75%を占める宇治浄水場を平成23年2月に策定いたしました水道施設耐震化計画に基づきまして、耐震化計画目標年次であります平成31年度までに耐震化を図る予定としておりまして、自己水の浄水場の耐震化率は水量見合いで約75%になるという見込みでございます。その他の浄水場につきましては、地域水道ビジョンの中に記述しておりますように神明浄水場と奥広野浄水場を統廃合し、災害時にも対応できる施設として新浄水場を建設していく予定としておりまして、また西小倉浄水場は地域水道ビジョンにおいて、今後の運用について検討するというふうにしておりまして、その結果を踏まえて耐震化について検討してまいりたいというふうに考えております。

それと、次に3浄水場の発電機設置のことでございますけれども、確かに緊急時の生活用水の確保ということになるかというふうには考えておりますけれども、水道部といたしましては、水道部が供給する水道水は、単にポンプアップした地下水を飲料水として利用することはできないというふうに考えておりまして、浄水場の施設が機能し、水道法に規定されている基準を満たしていなければ水道水として供給することはできないというふうに考えております。いずれにいたしましても昨年の関東地域での計画停電等を考慮いたしますと、一部の施設には発電機を設置しているものの、今後、水道施設への発電機の設置は重要であると考えております。したがいまして、必要性、緊急性、優先施設等を十分に考慮し、発電機の設置について検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

なお、開浄水場につきましては、施設の老朽化による更新費用の増大及び原水の水質の悪化などの6点の理由により既に休止の方針を決定しているところでございます。

○関谷智子委員長

木村委員。

◆木村正孝委員

何か最後におまけのようなお話がありましたが、そんなことは言っておりませんので。

今お答えいただきました水道部のことですが、1つは今、水道部が持っておられる耐震化計画というのは、まさに昨年の大震災の前にこしらえた計画であると。今、宇治市の地域防災計画もその前につくられた計画でしたが、その大震災を踏まえて今回京大に委託をして点検をした。その上でさらに本年度、新年度に改定を行うと、これが基本的な考え方です。そういう意味では、市の整合性からいけば、水道部が大震災以前につくられた計画を早急に見直しをして全体の整合性の中で計画を進める、事業を進めるというのが基本的な観点だと思うんです。そこのところが水道部としては欠けているんではないかというふうに思いますので指摘をしておきます。

もう1点、耐震化の問題で宇治浄水場だけに約6億円近いお金をかけて10年かけて行うということでございますが、耐震化の問題は、計画的に行うということは重要ですが、同時に既にある施設でそれが早く、経費も安く、時間もかからずにできるのであれば、それも同時並行的に行うというのが現実的ではないのかと。

もう1つ、これからの問題として地域分散ということが非常に大きなテーマになります。1つだけが大丈夫だというんではなくて宇治市内全体にある、分散した施設を有効活用する。そのために震災でも有効活用するということが非常に重要であろうと考えます。

最後に、ディーゼル発電機と給水栓を備えていれば、これは宇治として生活用水に多大な影響力を発揮することができます。既に先日の答弁でも5つの浄水場で5,000トンの飲料水を確保するんだということは、飲料水そのものとして考えられているわけですから、プラスをしてそういうこともやってはどうかということを意見として申し述べて私の質問を終わります。以上です。