◆(木村正孝君)
(登壇)それでは、平成24年9月議会における一般質問を通告内容に基づき行いたいと思います。
質問に先立ち、今回の災害でお亡くなりになった方のご冥福と、被害に遭われた方々に対しお見舞いを申し上げます。また、8月13日以来、この6週間膨大な災害対応業務に尽力をされ、まさに不眠不休という形で従事をされてきました、また懸命の奮闘を行ってこられました市職員の皆さん、幹部の皆さんに対して、大変ご苦労さまだったということも感謝を申し上げたいと思います。
それでは、最初に地域防災計画と今次災害対応についてということについて質問をいたします。まず、今回の災害のことについてですが、既に災害対策本部からもたくさんの情報を私たちにいただいております。今回の京都府の災害警戒本部の情報なんかによりますと、南部全体では城陽市や久御山町、あるいは京田辺市や京都市の伏見区などでも被害が出ておりますが、特に本市においては大変な被害が出ているということで、南部全体の中でも非常に被害が大きい市の現状があります。全壊が16棟、半壊が15棟、床上浸水がざっと約600、床下浸水が1,448ということで、さらに落雷による全焼も1棟出ておりまして、2,000棟を超える被害が出ております。また、ここに資料もございますが、平等院の庭園の丘が一部崩れたというふうなことも新聞報道がされております。そういう意味では、まだまだ十分に被害の状況が全体把握できていない部分も含めて、これからも大変なことになっていくんだろうというふうに考えます。ただ、その中で、本市におきましては地域防災計画を策定され、それと連動する形でハザードマップが作成をされております。私の第一の質問事項は、このハザードマップとその対策及び結果についてでございます。
まず、このハザードマップのことにつきましては、地震や風水害が起こった場合に備えてハザードマップを作成し全世帯に配布をされたり、また、地域防災計画を策定して一般対策編として取り組まれたりしております。今回の災害においては、ハザードマップで想定した地域で浸水被害が発生しております。今回の災害につきましては、かなり市外の方についてもニュースなんかで発信をしておられますが、防災システム研究所の山村武彦氏は宇治市豪雨災害の防災上の課題という形の中で、このハザードマップが十分に住民に認知されていなかったのではないかというふうなことも指摘をされております。
そこでお尋ねをいたします。浸水が予想されていた地域における水害時の市の対応、あるいは市民の行動はどのような形で想定されており、またその結果はどうであったのかについてお尋ねをしたいと思います。
○副議長(宮本繁夫君)
栢木市長公室長。
◎市長公室長(栢木利和君)
(登壇)水害発生時における本市の応急対策につきましては、本市地域防災計画一般対策編の中で、情報の収集、伝達、広報、避難等に関する基準等について定めております。今般の災害は近年経験したことのない大規模な災害で、甚大な被害が発生したため、災害発生直後は情報がふくそうし、全体の被害状況の把握や情報の確認までに一定の時間を要しましたことから、今後の全体の検証や総括を実施する中で、特に発災当初の情報収集等につきまして検討していかなければならないと考えているところでございます。
次に、水害時に被災した場合の市民の皆さんの行動についてですが、避難の際の注意や災害情報の収集などに関しまして、これまでからハザードマップや市政だより、出前講座などを通じて呼びかけを行うとともに、地域での取り組みを進めるためにすべての自治会、町内会に対し防災マニュアルの作成をお願いいたしております。また、自主防災組織の組織化、育成を図り、地域を中心とした防災訓練や研修会なども積極的に行っていただけるよう取り組んでいるところでございます。今般の災害におきましては、自主防災組織などを中心に常日ごろから活発な活動をされている地域では情報伝達や被害状況の把握などがスムーズに行われたと認識しております。今後も自主防災組織の育成を進めてまいりますとともに、地域の防災の核となる自主防災リーダーの育成に力を入れていきたいと考えております。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)今、公室長の方からお答えをいただきました。ありがとうございました。
実はこのハザードマップを見ておりまして、一つは、前段は地震編と、後半が風水害編という形で14ページ、13ページの方からは風水害についてのことが出ております。これの中で見ていただきますと色分けをされておって、それぞれその地域に対してはこういうことになるんだよということが非常にわかりやすくここには書かれております。この内容が今回非常に実態としては当たっていたといいますか、現実のものになったと。実はこの宇治市の地域防災計画の一般対策編、この中に、第2節の方に災害の記録というのがございます。今、公室長の方からは余り経験のない大きな災害であったというふうなお話もありました。この間、多くの災害のことについてのご質問に対して、市の方からはそういうお答えもたくさん出ておりました。
しかし、片方でこの災害対策編に書かれている災害の記録ということを見ますと、必ずしも今回に限って大変なことになったんだというふうには思えない部分がございます。具体的に言います。この災害の記録の中で、一つは昭和28年以来の南山城大水害以来の災害であったという、これは事実だと思うんです。ところが、ここに書いてますように、28年の9月にも台風13号が来ておりまして、このときも総雨量は214ミリと。全壊が89戸、浸水家庭が1,035戸という形の記録がここに載っております。2つ目には、昭和34年の9月の台風15号、これは伊勢湾台風です。私にとりましては中学生の時代ですが、このときも9月27日に災害救助法が発動されております。3つ目には、昭和36年の9月、第二室戸台風が来ております。これは私が住んでおりました地域を台風の目が通ったということで、2階建ての屋根が本当にひらひらと飛んでいったことをいまだによく覚えておりますが、このときも災害救助法が発動され、人的被害も含めて、家屋は全壊が156戸、一部損壊が4,564戸という形の被害が出ております。公共土木の損害額も2,860万、農林関係被害が2億200万という数字も含めてここには記載をされております。
さらに、昭和40年の9月17日、台風24号。このときも9月18日に災害救助法が発動され、家屋の被害で床上浸水・床下浸水合わせて約500戸がそういう状態になっております。さらに、昭和47年の9月、これは台風20号ですが、このときも天ヶ瀬ダムで900トンの放流をしながら全体的な被害を最小限に食いとめる努力をしておられますが、小倉町の方でも50戸の床下浸水が出ております。さらに、61年の7月には集中豪雨が起こっておりまして、このときは避難勧告が宇治の下居や白川地区の方に出ておりまして、このときは6時間雨量で202.5ミリということで、総雨量は321ミリ、家屋被害としては床上浸水が35戸、床下浸水が604戸、田畑の冠水が146カ所という形の被害が出ております。
最後になりますが、平成に入ってからですが、平成7年の7月、このときの集中豪雨で総雨量が230.5ミリ、7月4日に宇治市災害対策本部1号が配置をされております。さらに、平成10年の10月にも同じように宇治市災害対策本部1号が配置をされていると。事ほど、この宇治市の歴史、これを見ますと、やはり災害については結構宇治市では今まで経験を持ってるんだと。まさに私が感心したのは、こういうふうなことを踏まえてこのハザードマップを作成されてるから、かなり的確なものが片方でできてるんだなというふうに思ったわけです。
問題は、そういうことを片方で予測をしておきながら、いざとなったときに対応がやっぱりおくれてしまうということが今回の災害として総括しておくべき事項ではないのかなと、このように私は思います。その中で、一つはせっかくこしらえたこのハザードマップ、これが私の地域においても他の地域においても聞きましたが、意外と皆さん知られておられないんです。全戸に配布されたと聞いておりますけれども、余り覚えておられない。今まで何となしに災害ということを意識していた結果として、余り親身になって見ておられないというふうなことがあると思います。以前に荻原議員が、せめて地域別のハザードマップを改めてつくってはどうかという提案もございました。今回、これ自身再度全戸にというわけにいかないと思いますけれども、例えば地震、あるいは風水害によって地域特性あると思います。今回ですと風水害の洪水によって被害がたくさん出ておりますが、そういうことを含めて、先ほど公室長お答えになった地域の防災組織との連携ということも含めながら、改めてハザードマップというものを全体化し、市民に注意を喚起する。さらに、そのことを踏まえて地域の防災組織、自主防災組織と連携を図ってこれからの新しい防災体制をつくっていくと。そういうことをぜひお願いできないかなということを2問目として質問したいと思います。
○副議長(宮本繁夫君)
栢木市長公室長。
◎市長公室長(栢木利和君)
(登壇)本市におきましては、平成20年3月に作成をいたしました現在のハザードマップは、国土交通省淀川河川事務所及び京都府の浸水予測計算結果に基づき宇治川や山科川、古川などが増水し、溢水や堤防決壊によって浸水した場合の浸水予測範囲と最大の深さをあらわし、作成時には自治会、町内会を通じた各家庭への配布や市内の公民館やコミセンなどへの配布のほか、本市ホームページにも掲載をいたしております。今回の災害では、ハザードマップでのおおむね想定範囲において浸水被害が発生いたしましたことから、改めてハザードマップの必要性を認識したところでございます。
これまでから出前講座や本市防災訓練などさまざまな機会を通じましてハザードマップの内容をお知らせさせていただき、それぞれお住まいの地域での浸水被害の想定や避難所などについてご確認いただくよう、機会あるごとに周知をしてきたところでございます。現在保有しているハザードマップにつきましては、新たに本市に転入された方への配布用としておりますことから改めて全家庭へ配布することは考えておりませんが、自主防災組織等と連携して周知を図るなどの方法等を十分に検討してまいりたいと考えております。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)ぜひそういう方向でご検討いただきたいということをお願いしておきます。
次に、食中毒の経過と原因及び今後の改善方向という項目を立てておりますが、この項目につきましては既にもう昨日から一昨日、たくさんの方がこのことについては触れておられますし、また行政の方からも答弁がなされておりますので、重複するところについては省きたいと思います。ただ、この問題については、私の私見だけを述べておきたいと思います。ご検討いただければと思います。
まず、食中毒の問題ですが、被災された市民の方からすれば、救援物資である水や食べ物が届いたときは大変ありがたく、本当にほっとされたと思います。まさかその食べ物、おにぎりに黄色ブドウ球菌があるなどとは思いもされなかったはずです。食べた後に下痢をしたり腹痛を起こされてからも、まさか市から配給されたおにぎりが原因などと予想はされなかったと思います。それくらい市民の方は市役所や行政を信頼されていたと思うんですが、しかし、実際の下痢や腹痛、嘔吐の原因が市からのおにぎりだったとわかったときの市民の被災者の方々の驚き、あるいはその後の怒り、腹立ち、悲しみ、そういうものについては、やはり市長初め市職員の方々は思いをはせていただきたいと思います。そして、あってはならないことを起こしてしまった、まさに市民の方々の信頼を損ねてしまったわけですから、そのことの重大さを十分認識していただき、そして反省をし、総括していただきたい。そのことをお願いしたいと思います。
また、被害者104人の方々に市として補償するための補正予算が今議会に上程されました。約1,000万円。このことを新聞でお知りになった市民の方から、私の方に連絡がありました。補償するのは当たり前やろうと。それはせないかんやろうと。しかし、そのお金も実は私たちの税金よねと。そういう税金でやってる中で、この間は固定資産税の間違いに対して市長初め職員の方も処分されたと聞いてますと。今回はどうしてないんですかと。本来でしたら、そういう補償をしていくということと同時にそういうけじめもつけるのが普通ではないんでしょうかというふうなご連絡がありました。そのことについては、私はそのとおりだなと。これは普通の市民の方の感覚だなと思いました。
ただ、市のシステムとして同時ではなかったということですが、そういうふうな市民の方々の考え方、受けとめ方、そういうことは十分に市の方として、あるいは幹部として、市長として、市の幹部の方々も十分に心にとめていただきたいということを、この項についてはお願いをしておきたいと思います。
次に、市長のリーダーシップについてお尋ねしたいと思います。実はこの項について、私こういう趣旨なんです。テレビで、BSの方で日曜日に「Leader&Ⅰnnovation」という番組がございます。ここには民間企業のいろんな企業の社長さんがおいでになって、自分たちの仕事だけじゃなくて自分たちがどういう立場で仕事をし、何を考えて一生懸命やってるかというふうなお話をされます。また、「ルソンの壺」というNHKの番組では、全く新しい商品をつくられた会社なんかが紹介をされて、そこでその社長さんや部長さんなんかがおいでになっていろんなお話をされる。片方では「プロフェッショナル」という番組もございますが、まさにプロフェッショナルの方々につきましては、すし職人であったりあるいは会社の経営者であったりしますが、それぞれがプロフェッショナルとして大変なご苦労と自負を持って対応しておられると、そういうふうなことがございます。
そういう意味では、今回の議会でも一般質問たくさん出ておりましたが、市長自身は16年間の宇治市のトップとして行政を引っ張ってこられ、その中でたくさんの業績も、あるいは十分できなかったこともあるとは思いますが、この16年間の取り組みを考えて、踏まえて、今回災害が起こったわけですが、そういうときの災害時における市長のリーダーシップということについてぜひお考えをお聞かせ願いたいというのが私の趣旨でございます。よろしくお願いします。
○副議長(宮本繁夫君)
久保田市長。
◎市長(久保田勇君)
(登壇)災害時におけます市長のリーダーシップというご質問でございますけれども、昨日の松峯議員のご質問でも申し上げましたとおり、私は災害時に市長が果たすべき役割といたしまして、1つには、まず全体の被害状況をいかに正確・的確に把握をするか。そして、2つには情報を一元的に集約し、組織的に一貫した方針を迅速に決定・徹底をすること。3つには、他の組織、他の機関から最大限の協力や支援を得ること。4つには、何よりも全結果責任を市長が負うべきだというふうにあると考えておりまして、今回の災害に当たりましても今日までの経験を生かし、この考えで対応したところでございます。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)ありがとうございました。
今、市長の方から4点にわたってリーダーシップのあり方についてのお考えを伺いました。確かにきのうの一般質問のお答えでもそのことが触れられたと思います。特に地方自治体のリーダーということにつきましては、これは民間の企業とは少し違う面もあると思いますが、リーダーシップということについては大変共通するものがあるだろうと思います。特に、我が国の地方自治制度におきましては二元代表制でございますから、首長と議会の両方に権限を住民は与えています。国政における議員内閣制とは異なり、地方自治体の首長は直接住民から選挙で選ばれる、ある種大統領制という形の制度になっております。そうであるからこそ、大変大事な物事のときには、首長は直接住民に語りかけることが求められます。また、謝罪のときも同様です。
そのような観点からすれば、今回の食中毒が起こったことの対応として、市長が結果責任を負うというふうにおっしゃいましたが、迅速性ということを含めてその対応はいかがだったんでしょうか。当初は食中毒かもしれないなというふうな予測もありながら、集団救急事案として市長公室長や消防長が記者会見で報告をされていました。その後、京都府の保健所の調査結果が出て以後に食中毒の原因は本市にあるということが、その結果が明らかになった段階で市長が報告と謝罪をされたことは遅きに失したんではないのかなというふうに思いますが、そのことについていかがでしょうか。
○副議長(宮本繁夫君)
栢木市長公室長。
◎市長公室長(栢木利和君)
(登壇)食中毒の謝罪の件につきましてご指摘をいただいておりますが、8月16日に私は報道機関の要請を受けまして、集団救急事案として消防長とともに記者発表させていただいたもので、食中毒事案につきましては8月19日に初めて保健所から調査・検査結果と再発防止のための指導があり、その後すぐに本部長である市長みずからが事実経過の発表と謝罪をされたものでございます。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)今のお答えですけど、確かにそういうことについて、公室長がおっしゃったことについてあえて否定はしないんですけど、先ほど言いましたようにそういう原因が、直接の原因が市にあったんだということがわかる以前に、そういうことが起こった、そのときにやはり僕はトップリーダーがまずこういうことが起こってるということの説明をされ、そういうことを住民に直接やっぱり報告されると。そういうことに対して市としては万全の体制で臨むから、そういうことについては責任を持ちますんで、ぜひそういうことについての心配も少しでも和らげるような対応が僕は必要じゃなかったのかなというふうに思うんです。その意味では、先ほど言いましたようにトップリーダーとしての対処の仕方といいますか、そういうことについてはぜひこのことを踏まえていただいて、これからもそのことについてはやっていただきたいなというふうに要望しておきます。
次に、危機管理体制と課題ということにいきたいと思います。私は災害に強いまちづくりのためにこれまで危機管理監の必要性を問い、3月の予算委員会においては当時の市長公室長は必要性を含めて検討するとの答弁をいただいております。今回の災害を踏まえ、再度危機管理監設置の必要性を問いたいと思います。また、災害対応において各職場の職員OBの活用を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。キャリアを重ねたOBの方々は、被災住民の方々との対話や電話対応においてもその力を発揮される存在だと思います。このことについてのお考えをお伺いいたします。
○副議長(宮本繁夫君)
栢木市長公室長。
◎市長公室長(栢木利和君)
(登壇)今般の災害を受け、今後災害対策本部各班の正副班長会議や災害対策本部会議を開催し、その検証や総括を行うことといたしております。その中で本部組織体制についても検討することといたしており、防災監の役割や必要性についても検討してまいりたいと考えております。
次に、OB職員の任用についてでありますが、今回の災害のような大きな災害復旧業務や被災者支援に係る業務等を経験したOB職員はおりませんが、これまで蓄積された行政経験と専門的知識を災害対応に活用していただけるものと考えており、既にOB職員の任用について検討しているところでございます。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)ありがとうございました。ぜひ防災監につきましては、今回のことを踏まえて鋭意検討いただきたいというふうに思います。また、OB職員の方は既にそういう段取りに入っておられるということですので、そのことについては大変よい方向に向かうんではないかなと。約50人近くの職員の方が、OBの方いらっしゃるということもお聞きをしておりますので、ぜひそういう方向で取り組んでいただきたいと思います。
次に、地域防災計画の関係の5つ目の水道の関係です。断水の実態と給水対応について伺います。今回の災害において断水した地域、場所及び対象戸数とその原因、上下水道部としてどのように対応されたのかを伺いたいと思います。また、断水にまでは至らなかったけれども断水にならないように給水した地域や場所、あるいは戸数と実施内容があれば、それもあわせて伺いたいと思います。
○副議長(宮本繁夫君)
岸本上下水道部長。
◎上下水道部長(岸本文子君)
(登壇)今回の災害により志津川東詰では水管橋が流出し、25戸が断水となりました。笠取、二尾、池尾の山間地域では停電により断水のおそれが予測されましたことから、即座に各地域の配水池に給水車から水を補給することにより断水を免れるよう努めました。しかしながら、炭山地区につきましては、水道施設に至る道路が土砂崩れ等により寸断されましたため対応がおくれ、181戸全戸が断水いたしました。
これら断水いたしました地区への対応でございますが、志津川東詰につきましては地域と協議をいたしまして給水袋の配布、及び給水タンクを2カ所設置いたしまして応急給水を行いました。16日には応急復旧工事に着手をし、22日には流出した水管橋の仮設管工事が完了し、断水を解消することができました。炭山地区につきましては、地域と協議をして、上下水道部が備蓄をいたしております災害時の飲料水でございますボトルドウオーターを災害が発生いたしました14日から合計で約3,600本提供いたし、道路が応急復旧されました16日からは笠取第二小学校の受水槽への給水や給水タンクを2カ所設置いたしまして、合計3カ所の給水ポイントから応急給水を行いました。あわせまして、順次各戸への給水復旧作業に着手をいたしまして、22日には断水の解消をいたしました。以上でございます。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)ありがとうございました。非常に具体的に、また非常に迅速な対応をされたということで、22日には復旧をしたということについては、水道部の対応としては非常に迅速であったんだなというふうに思います。ただ、その中で、この関係しまして、非常に迅速な対応をされておられるわけですが、今回断水の被害地域ですね。これは特に13日から14日を含めて大変な洪水でしたし、それから雷もありましたし、それから道路が通れないというふうなこともあったと思うんですね。その意味で、これからのこともありますけれども、上下水道部としてはそういう被害地域の把握なんかはどういう形で今回されたんでしょうか。そのことについてもお答えいただきたいと思います。
○副議長(宮本繁夫君)
岸本上下水道部長。
◎上下水道部長(岸本文子君)
(登壇)今回の断水の状況の把握は、8月14日には志津川地区及び炭山地区の断水の状況を把握いたしておりました。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)そしたら、8月14日の段階でもうそのことについての把握はできたと。そうでありましたら、例えば被害地域がわかった時点で、きっとその場合はどれぐらいの戸数があってどれぐらいの飲料水が必要だというふうに考えられたと思いますし、また、そのときの給水体制はどういう形をとるのかなということもご検討いただいたと思うんですが、そのあたりについては、資料もいただいておりますけれどももう少し給水対応内容について具体的にお聞かせ願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副議長(宮本繁夫君)
岸本上下水道部長。
◎上下水道部長(岸本文子君)
(登壇)災害時の飲料水の確保につきましては、各自に3日分程度の備蓄で賄っていただくよう日ごろから本市でお願いいたしておりますが、このたびの断水地区につきましては、初日から地域のご要望に沿った対応をさせていただいたところでございます。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)結構です。要するに今回につきましては、初日から必要なものを水道部として対応されたということですね。
あと、炭山についてですが、この地域は停電のために断水したというふうにお聞きしております。これは、道が遮断されたというだけじゃなくて、停電によって断水したというふうにお聞きしておりますが、そのことの具体的な内容ですね、これについては、向こうはたしか簡易水道があったと思うんですが、そのあたりの状況についてお聞かせください。
○副議長(宮本繁夫君)
岸本上下水道部長。
◎上下水道部長(岸本文子君)
(登壇)炭山地区は簡易水道ではなく、うちの上水を給水している地域でございます。
災害や落雷等による停電によりまして、水道施設への電気供給がとまり、送水できなくなる事態を招くことが今回の災害で課題となりました。そのような中の緊急対応といたしまして、自家発電設備が有効な設備であるというふうに考えまして、今回の炭山地区のように施設そのものに到達できないような状況もございますが、今後は災害に強い水道施設とするために自家発電設備の設置について検討してまいりたいというふうに考えております。
なお、炭山地区につきましては、停電によりまして電磁弁が作動しなくなりまして各戸給水ができなかったものでございます。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)ありがとうございました。ぜひ、発電機の設置については迅速な形でお願いしたいと思います。きっとそのことについては、特に今回のように炭山、笠取については必要な設備であろうというふうに思いますので、よろしくお願いします。
それでは、最後になりますが、上下水道部のことについて今伺いましたが、1つだけ私の方から提案をさせていただきたいと思います。
これまでも上下水道部のことについていろいろとお話をしておりますが、特に災害時、今回、非常に迅速な対応をされたというふうに聞いておりますし、今もそういうお答えをいただきました。これからまだまだこういうことは広く起こる可能性もあると思いますので、今回のような迅速な対応と、皆さん方の努力がさらに体制として強化されますことをお願いしておきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、次に、観光振興計画について伺いたいと思います。まず、観光振興計画については、先日、6月の議会でもお伺いしておりますが、今回の豪雨被害への対応により観光振興計画の進捗がおくれているのではないかと危惧しております。現在及び今後の日程について、どのような見通しを持っておれるのかをお聞きしたいと思います。
○副議長(宮本繁夫君)
松田市民環境部長。
◎市民環境部長(松田敏幸君)
(登壇)観光振興計画の進捗状況につきまして、本年5月には第1回目の宇治市観光振興計画策定委員会を開催し、昨年行いました宇治市観光動向調査の結果や今後の課題について、また7月には第2回目の策定委員会を開催し、計画の方向性についてご議論いただいたところでございます。
当初は、第3回目の策定委員会を9月上旬に開催すべく準備を進めておりましたが、今回の災害により観光事業者さん等と調整する時間がとれなかったこと、また内部的な検討を行う時間に不足があったことなどから9月の開催を断念したところであり、現在は10月の開催に向けて日程調整を行っているところでございます。
日程につきましては、当初の予定からは若干おくれておりますが、十分な議論を尽くすことを念頭に、本年度内、平成25年3月中の完成に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)ありがとうございました。かなり日程的にきついんだろうというふうに思いますけれども、頑張っていただきたいと思います。
2つ目に、ここに書いておりますように、私鉄の各社あるいはJR、地元バス会社との連携という項目を上げております。これにつきましては、今後の観光を考える上で、交通事業者あるいは私鉄の各社、あるいはJR、さらに地元のバス会社との連携が不可欠ではないかというふうに考えておりますが、そのことについてのお考えをお尋ねしたいと思います。
○副議長(宮本繁夫君)
松田市民環境部長。
◎市民環境部長(松田敏幸君)
(登壇)昨年実施いたしました宇治市観光動向調査におきまして、宇治に来られる際の交通手段についてお聞きしたところ、JRが40%、京阪電車が25%、マイカーが22%、観光バスが8%、上位4つの交通手段で来られる方が95%を占める状況でございました。こうしたことから、宇治市観光協会に設置されております観光振興計画策定専門委員会におきましては、JR、京阪電車、観光駐車場からも委員としてもご参画いただいているところであり、こうした交通事業者からのご意見も踏まえて計画の策定を進めているところでございます。
やはり、宇治に来ていただくところから観光の振興がスタートをすることとなりますので、来宇しやすい環境づくりのため、交通事業者との連携は非常に重要な要素であると考えております。
今後におきましても、必要に応じて他の交通事業者さん等とも連携を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)今の私の質問は、例えば「京阪乗る人、おけいはん」とかいうキャッチフレーズで、京阪電車なんかは、京都あるいは伏見、宇治という形で既に独自のパンフレットをこしらえて大阪の梅田や淀屋橋でも配ってるんですよね。だから、宇治の観光振興計画の中でそういう事業者とタイアップすれば、その事業者自身もみずから進んでそういう取り組みも片方でしておられるということになりますので、ぜひそういう形の連携を図っていただきたいなというふうにお願いしておきます。
3つ目に、宇治橋商店街の整備事業の完成と商店街の景観についてお伺いしたいと思います。
今般、宇治橋通商店街の電線地中化などが図られまして、商店街の整備事業が完成いたしました。たしか今月末に完成記念式典が地元の商店街振興組合が主催されて準備されているというふうにお聞きしております。この当該地域は、観光地の商店街でもあるわけですから、そういう意味では今回の整備されたことを踏まえて、各店舗の看板とか、それから形だとか色だとか、そういうある種統一感のある商店街ということを考えるべきではないかと思うんです。
例えば祇園の花見小路なんかは電線が地中化になったことによって非常に見ばえよくなりました。京都のまちとしても非常に洗練された感じになっております。また、この近くでは、伏見の納屋町商店街がやはり通路の上に屋根をつけられたときにお聞きしたら、全部看板を統一しておられるんです。その中で非常に見ばえよくなってます。そういう意味で、宇治の観光地へ来られる方がきっと一番最初に通られる商店街だと思いますので、今回、景観ということを含めてそのような取り組み、工夫が必要ではないかなと思いますが、ご見解をお聞かせください。
○副議長(宮本繁夫君)
松田市民環境部長。
◎市民環境部長(松田敏幸君)
(登壇)宇治橋通商店街は、地元の商店街としてだけではなく、観光面からも非常に重要な役割を果たしていただいているところでございます。今回の電線地中化事業につきましては、商店街として長きにわたってお取り組みをいただいた事業がようやく完成の運びとなったところでございます。これに合わせて、統一感のある看板にしてはとのご提案は、電線地中化事業をより効果的にする手法の一つとは思われますが、こうした取り組みにつきましては、まずは商店街さんとして主体的にご検討いただくべき内容ではないかというふうに考えております。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)確かにおっしゃるとおり、商店街というか、商店街の振興組合が、まずそのことについては検討されるべきだということはよくわかります。ただ、このことについては京都府が行政としても取り組んだ事業でもありますし、宇治市も非常に大きなかかわりを持ったわけですから、宇治市の屋外広告物の一つの取り扱いというんですか、今のばらばらではなくて、何かそういうことについての取り組みなり方法というのはご検討ないんでしょうか、お聞かせください。
○副議長(宮本繁夫君)
木下都市整備部長。
◎都市整備部長(木下健太郎君)
(登壇)良好な景観形成を行うため、面積、高さ、色彩などについて本市では屋外広告物の基準を定めております。また、現在、景観計画重点区域内において、屋外広告物の新設・改修及び撤去に際して助成制度を設けております。新設・改修においては、自然素材が使用されており、かつデザイン性がある屋外広告物について、景観アドバイザーの意見を伺った上で、経費の一部、おおむね経費の2分の1かつ上限額を50万円と定め助成を行っております。
これまで5件の屋外広告物の助成を行っており、今後も引き続きこの制度が活用できるように地元へ情報提供してまいりたいと考えております。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)ありがとうございました。そういうふうな支援制度があるんでしたら、それをぜひ地元の方々にもお知らせいただき、活用いただくようにお願いしておきたいと思います。ありがとうございました。
そしたら、3番目のいじめの防止条例の制定について伺いたいと思います。この私の質問趣旨は、いじめの根絶に向けて具体的な取り組みを進めるために条例制定などを考えてはどうかというのが私の質問趣旨でございます。既にきのうも河上議員もそのような質問をされ、答弁もありますので、重複しないようなところだけに限定して質問いたしたいと思います。
まず、いじめの問題ですが、これは世界的に言いましてもかなり早い時期から研究や法律制度が進んでいます。北欧では、1970年代から学校のいじめに関する研究が始まっておりますし、日本やカナダやオーストラリアでもそのような関心が高まっております。
世界で一番最初にいじめ禁止法を制定したのはスウェーデンで、1994年、18年前になります。さらにその後、アメリカでは、いじめで自殺者がふえると同時に、アメリカのことですから銃の発砲事件なんかも頻発しまして、アメリカでは一斉に各州で州法をつくるというふうな取り組みが行われたことがございます。既に今日でも、全米50州中32州で州法がつくられてるというふうにお聞きしておりますが、アメリカの場合は、明確に反いじめ法です。いじめをしてはいけない、これは悪だという考え方に基づいて行われております。そういう意味では、アメリカのこの取り組みを見てみますと、大変示唆に富む内容であることがわかります。
特にいじめの問題は、単に学校の問題、教育問題だけではなくて、大きな社会問題だと、そのための取り組みは広く社会喚起の中で行うことが必要なんだと。そのためには、非常に具体的なプログラムを策定し、実施に当たっては教育委員会や学校、親や生徒、専門家なども含めてみんなで関与して共同で取り組みを行う。その取り組みについては、社会的な強制力が必要だと、こういうふうなことが基本的な考え方として整理されております。これはヨーロッパも同じことです。
そういう意味で、最初にお聞きしたいんですが、宇治の市教委として、いじめの問題に対して、いじめの防止指針あるいはいじめの防止計画、そういうものをモデルとしてまずつくられているかどうか、さらに、そのことを各小・中学校の中に指針や計画を策定するように指導されているかどうか、それをお尋ねしたいと思います。
○副議長(宮本繁夫君)
石田教育長。
◎教育長(石田肇君)
(登壇)教育委員会といたしましては、まず、「いじめは人間として絶対に許されない」、このことを学校理念として、教職員と児童・生徒、また児童・生徒間の好ましい人間関係づくり、保護者や地域との日常的な連携や教育相談体制の整備に努め、いじめ未然防止に取り組み、教職員は、どの学校でも、どの子にも起こり得るという認識を強く持ち、児童・生徒の小さなサインを見逃さず、早期発見・早期対応に努めるよう指導をいたしております。
しかし、いじめの事象が発生した場合に備えまして、各学校でいじめ対応マニュアルを策定し、対応するように指導いたしております。その対応マニュアルは、学校長が、1つに緊急性や軽重を判断し複数の教員による迅速な対応、2つに被害者、加害者への対応と援助、周囲への指導、3つに正確な事実関係の把握、4つに指導方針の決定、5つに役割分担による指導と対応策の周知、6つに保護者・育友会・関係機関等との連携を基本として組織的に対応するように教職員に対し指示を行うことを基本とする、このようになっておるところでございます。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)ありがとうございました。指針というか、マニュアルがあって、それに基づいてやっているというふうなお話だったと思うんです。
これはきのうも出ておりましたが、実は宇治のこの現状でいきますと、小学校では横ばいですが、中学校ではふえているという報告が昨日も教育長の方からなされました。私は、そういう取り組みをしていながら片方で増加しているという、この現実を踏まえて、市教委としてはそのことについてどのような対応をしておられるのか、それをお尋ねしたいと思います。
○副議長(宮本繁夫君)
石田教育長。
◎教育長(石田肇君)
(登壇)いじめの状況の推移につきましては、議員ご案内のとおりでございます。
先ほどまでのお答えを申し上げましたように、また、過日の本会議でもお答えをさせていただいておりますことでございますが、少し視点を変えてお話をさせていただきたいと思います。
まず、今、議員の方からもございましたように、いじめの対応についてはいろいろな手が今日まで打たれてきております。これまで取り組まれてきたいろいろな取り組みにつきまして、その対策の効果あるいは検証、こういったものが今後についても必要な課題になっている、そういった段階ではないかとも思っております。
また、いじめの問題は、最悪の場合、自殺につながります。この自殺をいかにして防ぐかということもいじめ問題にとっての大きな課題であるというように認識もいたしております。いじめ問題に対応します場合の一つの視点、これは、いじめ問題の理解をいかにしてどのように行うのかということも重要な視点でございます。
今日までお答えをさせていただきました内容の繰り返しになることをお許しいただきたいと思いますが、1つにはいじめ問題、この攻撃といいますか、いじめが一過性ではなくて反復継続して行われること、2つにはいじめが意識的でかつまた集合的に行われる、こういったことに、いじめを理解する上のポイントがあるのではないかと思っております。加うるに、被害者が加害者となり、加害者が被害者となる、こういった状況をかんがみますと、いじめる側、いわゆる加害者の心理についても十分読み解くこと、このことが大事であろうと思っております。
いじめ問題への対応としてのポイントは--これも繰り返しで申しわけございませんが、何よりもいじめの早期発見・早期対応、2つには組織的な対応と関係機関との連携、そして3つには社会の一員としての意識を子供たちに植えつけること、社会の形成者としての資質を育成していく、そのためにも学校を中心とした今日までの予防的な生活指導の充実を一層図っていくことが必要であろうと思います。
教育委員会といたしましても、いじめは常に起こる可能性がある、だから我々も正面から向き合っていかなければいけない、このことを基本に対応していきたいと考えております。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)もう少し具体的な取り組みが必要ではないかなと考えているんですが、このマニュアルについて、一応概略の方は見せていただきました。
問題は、いじめのマニュアルあるいは防止指針なり防止計画で重要なポイントとなるのは、いじめの定義なんですよね。特に日本の場合、これまでの経過からいきますと、いじめる側、いじめられる側というふうな話の中で、「いじめられてる方にも問題があるんじゃないか」というような誤った認識がまだまだ広く存在しているように思うんです。そういう意味では、いじめということに対して、これは悪だということをどれだけ明確な形で子供たちに伝えることができるのか、あるいは親・保護者に対してもそのことが伝えられるかどうかを含めて、そういうマニュアルなり学校の教育の中でいじめの定義についてどういうふうな形で明確に位置づけておられるのか。
もう一つは、そういう学校における責任者の明確化が非常に重要な要素になると思いますが、そのことについての内容はいかがでしょうか。
○副議長(宮本繁夫君)
中谷教育部長。
◎教育部長(中谷俊哉君)
(登壇)平成18年より文部科学省がいじめを定義としておりますのは、「個々の行為がいじめに当たるか否かの判断は表面的、形式的に行うことなく、いじめられた児童・生徒の立場に立って行うものとする。いじめとは、当該児童・生徒が一定の人間関係のある者から心理的・物理的な攻撃を受けたことにより精神的な苦痛を感じているものとする。なお、起こった場所は、学校の内外を問わない」とし、注釈として、1つに「いじめられた児童・生徒の立場に立ってとは、いじめられたとする児童・生徒の気持ちを重視することである」、2つに「一定の人間関係のある者とは、学校の内外を問わず、例えば同じ学校・学級や部活動の者、当該児童・生徒がかかわっている仲間や集団・グループなど当該児童・生徒と何らかの人間関係のある者を指す」、3つに「攻撃とは、仲間外れや集団による無視など直接的にかかわるものではないが、心理的な圧迫などで相手に苦痛を与える者も含む」、4つに「物理的な攻撃とは、身体的な攻撃のほか、金品をたかられたり、隠されたりすることなどを意味する」、5つに「けんか等を除く」としております。
また、いじめ事象が発生した場合は、いじめ対応マニュアルにより校長を中心とした指導体制の確立と継続的な指導に努めるよう指導いたしておりますので、学校で発生したいじめ事象に対応する責任者は学校長となります。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)ありがとうございました。今、いじめの定義あるいはその責任者は学校長ということを含めて明らかにされてるというふうなことをお聞きしました。
いじめの防止といいますか、根絶のためには、やっぱり市教委なり学校・親・生徒・専門家、先ほど言いましたように全体的に共同して行うということが非常に大事です。そういう意味で私は、教育問題であると同時に大きな社会問題である、そういう意味で地域の方々も含めていじめということに対して取り組みをする、そういうためにはある程度強制力を持った条例制定というようなものが必要ではないかと考えております。そのことについて見解をお尋ねしたいと思います。
○副議長(宮本繁夫君)
野田市民環境部理事。
◎市民環境部理事(野田浩靖君)
(登壇)現在、本市における人権啓発につきましては、平成12年に施行された人権教育及び人権啓発の推進に関する法律に基づき平成18年に宇治市人権教育啓発推進計画を策定し、本市が実施する人権教育・啓発の推進に関する基本方針を明らかにするとともに施策の方向性を示しております。
この計画に基づき、子供一人一人の人権を最大限に尊重する中で、人権に関する正しい理解と認識を深めるとともに、他者の立場を尊重し、違いを認め合えるような人として成長できる環境をつくる取り組みを進めているところでございます。
今後につきましても、この計画を推進することによりまして一層の人権啓発を図っていきたいと考えておりますことから、現在のところ、条例を制定する考えには至っておりません。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)今、お答えいただいて、悪くはないんですけど、非常にまた抽象的な世界に入っていったなと思うんですよね。
今、人権啓発だというふうな視点からお答えいただきましたけれども、今回このことについて幾つか資料を読ませていただきました。そしたら、宇治市がつくられてる人権教育なり啓発推進の計画書、今年度の実施計画には全くいじめのことは入ってないんですよ。だから、片方で、いじめはせないかんと言いながら、あるいは人権問題だ、啓発だと言いながら、ことしの実施計画には入ってない、落ちてるわけです。そういう意味では、私は、そういうふうな実態があるわけですから、人権啓発だとおっしゃるんでしたら、そこの実施計画にきちっと位置づけする必要があるだろう、これが1点です。
それからもう一つは、いじめの問題は確かに広く言えば人権啓発でありますが、もっと限定した具体的なテーマだというふうに考えておりますので、そういう観点から、今後の取り組みについてどのようなお考えか、お聞かせください。
○副議長(宮本繁夫君)
野田市民環境部理事。
◎市民環境部理事(野田浩靖君)
(登壇)議員ご指摘のとおり、社会全体の問題としていじめを防止する、いじめはよくないということを啓発すべきことは重要と考えております。
人権教育啓発推進計画では、各年度の実施計画におきまして庁内各課の人権教育・啓発に関する取り組みを取りまとめ、ホームページで公開しております。人権啓発課におきましても、人権フェスタ等で子供たちやご家族に映画等を通じて、優しさや思いやり、人の心を思う大切さを理解いただく取り組みなどを行っているところでございます。
現在、この計画におきまして、議員ご案内のとおり、いじめに関する記載はございませんが、そのような取り組みがいじめ防止につながるものと考えております。しかしながら、大きな社会問題となっております現状をかんがみまして、教育委員会とも相談しながら、今後さらに効果的な啓発ができるよう検討してまいりたいと考えております。
○副議長(宮本繁夫君)
木村正孝議員。
◆(木村正孝君)
(登壇)ありがとうございました。これが最後ですが、いじめというのは、やはり、いじめられる子供なり、小学生・中学生にとっては非常につらい問題です。最近は非常に社会問題化しているといいますのは、例えば大人が読む週刊の漫画雑誌なんかにも、カバチなんていう名前でいじめの問題が取り上げられて、女子中学生がどういう形でいじめに遭ってるかというのが連載されています。非常にささやかなところからいじめというのは始まっていくんですよね。今までいじめられてた方が、片方でいじめに回ってしまうようなことも赤裸々に出ています。地域の学校の先生にお尋ねしても、やはりその辺の難しさを含めて取り組んではいるけども、なかなか効果があらわれない、これも事実だと思うんです。
そういう意味で、私は今回、条例というふうに言いましたのは、あくまでもいじめそのものはいつまでも放置しない、根絶するんだ、それも社会の問題、親の問題としても、子供だけ、学校だけに任すんじゃなくて、全体で取り組むんだということの取り組みが非常に重要だというのが1点です。
もう一つは、学校の中でそういうことがあるということは、学校全体の教育の環境がよくならない、悪くなる、そういうことも含めて取り組みが早急に具体的な形で必要だというふうに思います。例えば年に1回、学校の先生についてはきちんとした研修会を行うとか、あるいは年間の授業の中で何時間かはそのことに充ててきちんとしたプログラムを策定して取り組みをするとか、そういうふうな具体的な取り組みをぜひやっていただきたいなということを要望して、この項については終わりたいと思います。
大変いろいろと多岐にわたりましたが、お答えいただきましてありがとうございました。これからも、地方自治の問題あるいは災害復旧の問題は重要な課題だと思います。市の皆さん方も鋭意努力いただきますことをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。