地下水管理と住民の取り組み

5 地元住民・自治会の主張

 (1)私たち住民、開町自治連合会は、夏は冷たく冬は暖かい自然の恵みである「良質な水」を飲み続けるために、数十年間努力して参りました。施設の老朽化や水量不足、地下水汚染の進行などを理由とする日産車体の給水停止の意向に際し、夏の断水への協力や節水、また裁判闘争なども通じて、この大切な地下水を守り続けてきました。その結果、当時の市長のご英断により、地下水を残したまま、市水道に切り替える合意を得て、昭和53年、宇治市、日産車体、自治会の3者協定(覚書)を締結し、今日に至っております。

(2)ところが、市水道部は、住民には何の説明もないまま突然、昨年12月、開・槙島浄水場を休止し府営水に切り替える方針を、市議会建設水道常任委員会に報告されました。その後、市水道部から、住民説明会が2回ありましたが、休止に対し、地元住民が納得できる説明が十分になされないまま今日を迎えています。

(3)浄水場存続を願う私たちの考え

【1】 給水には全く問題がありません。

井戸水を浄化した給水は、水質基準値を十分クリアしており、飲み水として全く問題はありません。市水道部も問題なしとして、この10数年間給水を続けてきました。

【2】 原水の水質は10年間同じです。

休止理由の「原水が悪化している」との市水道部の説明は、事実ではありません。水質検査結果からも、この10年間、水質が悪化している状況は見られません。

むしろ自然界にはない汚染物質が10年前から検出している事実を知りながら、放置してきたことが問題です。汚染物質の原因究明や汚染源の特定、汚染者負担の原則に基づく改善指導等を図ることが、行政の役割ではないでしょうか。

【3】 琵琶湖の水質が悪化する兆しがあります。

地球温暖化、暖冬の影響により降雪量が激減した結果、琵琶湖の水質汚濁が懸念されています。琵琶湖を水源とする府営水原水の汚染を懸念するのは杞憂でしょうか。

【4】 防災の観点からも、地下水保全は重要です。

地元にとり地震や水道管の破裂など災害・緊急時対策として、「自己水」確保は重要な意味を持つものです。自己水確保を方針としながら、浄水場をなぜ廃止するのでしょう。(一方を閉鎖し、もう一方を拡張するのはなぜでしょうか。)

【5】 経費は高くなる

住民説明会において市水道部が明らかにされたところでは、開浄水場のランニングコストは24円、切り替え予定の府営水は70円とのことです。わざわざ高い府営水を購入するのはなぜでしょうか。

【6】 改修に要する費用は、6年でペイ

老朽化した施設の改修費用は、6700万円と説明されています。ランニングコストで府営水との差額は、年間1150万円。改修費用は6年でペイできるものです。

【7】 環境省の指導はなかった。

突然、急な休止決定を行った理由にあげられた「環境省の指導」はなかったことが、議会予算委員会において明らかになっています。

1 2 3 4 5 6 7 8

コメントを書く


※ ニックネーム可

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください